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『秦の始皇帝』:雨読夜話

ここでは、「『秦の始皇帝』」 に関する記事を紹介しています。
秦の始皇帝 (文春文庫)
秦の始皇帝 (文春文庫)
陳 舜臣
文藝春秋 2003-08

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中国の原型を造った秦の始皇帝の戦国統一から滅亡までの過程を描いている。
基本的には著者の以前書いた『中国の歴史』の第2巻にあることとそれほど変わってはいないが、対象を秦の始皇帝に限定している分詳しく書かれている。
秦の中央集権的かつ独裁的な支配体制は、遊牧民族の体制が影響していることが大きく書かれている。西方にあるだけに遊牧民族の影響を受けたのか、あるいは遊牧民族そのものであったということだろう。
中国の歴史書では中華思想があるので野蛮人とされる遊牧民から影響を受けたなんて書きたがらないので、その点を念頭に置いて歴史の流れを見る必要がある。

また、始皇帝は軍隊や富、人材などを本拠地に集めておけば、抵抗することができないだろうという考え方だったようなのだが、人民の支持がなければ国は滅びてしまうという例も、秦帝国の興亡からみることができ、その後の王朝が反面教師としたようである。
焚書坑儒など悪政も多かっただろうが、著者も述べているように始皇帝の一族が滅亡したので弁護してくれる人がいなかったとあり、良くも悪くもまとまりのなかった中国大陸を統一したという行為はすごいと思う。

でも、人口や面積から考えると、果たして中国が1つであるのはいかがなものか。華<北と華南、沿岸と内陸など大きく違う部分が多いので、もしかすると中国は統一されずにいくつかの国が競争する形であった方が、相乗効果でアジア的停滞に陥らずに済んだのかもしれない。
その後の歴史でも多くの戦争や王朝が繰り返し起こるが、あまり変化や発展がなかったことを考えると、統一をしてしまった始皇帝は評価が難しい。




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