九州国立博物館に特別展「草原の王朝 契丹-美しき3人のプリンセス」を観に行った:雨読夜話

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昨日、九州国立博物館に特別展「草原の王朝 契丹-美しき3人のプリンセス」(平成23年9月27日~11月27日)を観に行った。

今回の展示はこの博物館が開館する前の2005年から6年がかりで進めてきたとあり、力を入れていることが感じられたこともあって行ってみた。

契丹というのは中国大陸で唐王朝が滅亡した頃に成立した契丹族の耶律氏を指導者とする遊牧民の国家で、後に中国風に遼帝国と国名をつけている。
支配地域はモンゴルや内蒙古自治区、シベリアやカザフスタンなどの一部にわたり、中国では五胡十六朝から北宋の時代、日本では平安時代にあたる。

この国は世界国家だった唐王朝(皇帝の李氏は鮮卑族出身)の後継国家を意識していたらしく、陶器の唐三彩にならった遼三彩など、唐王朝に由来する文化を持っていたことが展示から分かってくる。
また、北宋や高麗、イスラム圏との交易も盛んに行っていたとあり、展示品でも国際色豊かだったことが伝わってきて面白い。

副題にある美しき3人のプリンセスというのは、発掘された遺跡に埋葬されていたとされる契丹の皇后や皇女のことを指していて、黄金のデスマスクや棺、アクセサリーなどが展示されている。
契丹ファッションというノリでファッション誌みたいな解説がなされていたのも楽しい。

最初の方では金製品の展示が多く、以前読んだ『スキタイと匈奴 遊牧の文明 (興亡の世界史)』でも金製品の写真が多く掲載されていたことを思い出した。

遊牧国家らしい展示としては、飲料水を入れた皮の袋を模した陶器が目を引き、細かな模様や穴なども再現しているのが興味深かった。
契丹は仏教国家としての一面もあり、仏塔や仏具なども多く展示されていたのには少々驚いた。

どうしてもこうした遊牧国家はあまり史書を残しておらず、対立していた中国の史書では野蛮な侵略国家のような書かれ方をしているが、実は高い文化や文明を持った国であることに改めて気付かされる。

バラエティ豊かな展示を見ることができ、行って良かったと思う。



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