『小説 佐藤一斎』:雨読夜話

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小説 佐藤一斎
小説 佐藤一斎童門 冬二
致知出版社 2006-02

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江戸時代後期に昌平坂学問所の儒官(現在で言うところの東大総長)を務めて幕末・明治の偉人たちに多大な影響を与え、『言志四録』でも知られる佐藤一斎を描いた歴史小説。
小説というよりも、一斎の交遊録のような形式で書かれている。

主君であり学友だった林述斎(元の名は松平乗衡)は、林家の塾だった昌平坂学問所を官学にするなどの政治力や経営能力に優れていて、学者・教育者として卓越した一斎とはうまく役割分担ができていた。

述斎と言えば、松浦静山を主人公とする時代小説『甲子夜話秘録』シリーズではワトスンのような扱いだったが、実はそれなりにすごい人物だったことが分かって少々驚いた。

また、『遠山の金さん』などの時代劇で悪役として登場することの多い鳥居耀蔵(目付→江戸町奉行)が、林述斎の七男だったことも知らなかった。

一斎が「陽朱陰王」(表では朱子学者、裏では陽明学者)と呼ばれたことについては、昌平坂学問所(官学)と林家の私塾(私学)という形で使い分けをしていたのではないかとの見解が述べられている。

弟子からは尊皇攘夷派、佐幕派ともに出ているように、様々な思想の人物を受け入れる幅の広さがあった。
その分、藤田東胡や横井小楠のような過激な思想家からすると、物足りなく感じられたらしい。

佐久間象山、山田方谷、渡辺華山、大橋訥庵、大塩平八郎、川路聖謨、西郷隆盛など、関係の深い人々との話が多く出てきて、興味深く読むことができた。



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