『マネジメントの日米逆転が始まる』:雨読夜話

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マネジメントの日米逆転が始まる
マネジメントの日米逆転が始まる
増田 悦佐
PHP研究所 2011-09-21

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日本と欧米のマネジメント、特に経営者たちのタイプとその結果による社会の変化の違いについて語っている作品。

大枠としては、エリートがエリートのために全てを決める形のマネジメントを行っているのに対し、日本では最も責任あるポジションについた社員が現場の意向をまとめるマネジメントを行うという形で対比がなされている。
そして、国民の生活を豊かにするという観点からすれば明らかに日本の方が優れていることを、さまざまな例を挙げて解説していく。

そうした違いが顕著に現れるものとして、欧米の経営者の給料が日本に比べてべらぼうに高いことや、業界内でのシェア(1社が絶対的なシェアを占める欧米に対し、日本だと寡占であっても1位と2位以下の差が大きくない)などを挙げている。

その違いの元として、欧米では軍隊や宣教師タイプの考え方が強いのに対し、日本では市場や商人タイプの考え方が強いという歴史的背景を語っている。

そしてこうしたことが積み重なった結果、格差が拡大し続ける欧米と、活気ある大衆社会を築いた日本という違いにつながってくるとしている。
また、日本の技術志向が軽量化、省エネ化を得意としていることはよく知られているが、企業のトップはすごいことをしているわけではないという考えで経営者まで軽量化したということで、「軽クス主義」と名づけているのがちょっと笑ってしまった。

他にも、下記のようなことが語られていて興味深い。
  • 日本が扱う貨物輸送の重量が減って韓国などに負けている・・・と報道されることが多いが、製品の軽量化を進めたことによるもので、金額ベースでは減っていない
  • 企業の海外進出=産業の空洞化とされることが多いが、海外進出する企業は海外以上に国内への投資を行う傾向がある
  • デフレは避けるべきという論調が多いのは、マスコミや学界を支配するエリートたちにとって都合が悪いからであり、大衆からすればインフレよりもデフレの方が都合がいい
  • マスコミが大企業に支配されているという構図は、実はアメリカのほうがひどい。ウォーターゲート事件は、大企業が絡まなかったためにマスコミは張り切って報道することができた

著者の他の作品による、日本は大衆社会だから強いという基調はそのままに、企業のマネジメントというポイントをついた形で読むことができ、面白かった。

売れ行きがいいためか、著作の出るペースが上がってきているようなので、他の作品も読んでいきたいと思う。



[参考文献に挙げられていた作品]

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