『大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ』:雨読夜話

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大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書)
大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書)
石井彰
アスキー・メディアワークス 2011-08-10

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3.11により原子力発電に対する不安が高まった現在、日本の発電で使用するエネルギーにおいて天然ガスの割合を高めていくことが望ましいと語っている作品。

以前読んだ著者の『天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学』と重なる内容で、天然ガスのエネルギー源としての性質や市場で取り扱われている状況などを紹介し、安定供給が見込めることが分かってくる。

また、『天然ガスが・・・』では書かれていなかったシェールガス革命と呼ばれる、非在来型の天然ガスが商用ベースに乗った現象について書かれていて、本書の中で最も興味深いところだった。
非在来型ガスとは下記のような天然ガスで、隙間から効率的に採集する技術が発達したらしい。
  • シェールガス        :頁岩(けつがん)の隙間に貯蔵されたガス
  • タイトサンドガス      :砂岩の隙間に貯蔵されたガス
  • CRM(コールベッドメタン):炭鉱の石炭層のひび割れに存在するメタン
この結果としてアメリカが天然ガスの輸入国から輸出国に転じたり、天然ガスの価格が下がったなどの現象が触れられている。

ただ、天然ガス自体の性質や市場が成熟していないこと、交渉が不得手なことなどから、日本は天然ガスを高く吹っかけられることが多いというのが少々残念に感じる。
サハリンからの天然ガスパイプラインなどが実現すれば交渉も進めやすくなるであろうことも書かれていて、今後の展開を期待したいと思う。

天然ガスは地味だがエネルギー効率の高さは他と比較してもかなり高く、太陽光や風力のような再生型エネルギーのような安定供給への不安も少ない。
いまひとつ天然ガスに利用が少ないように感じるのは電力会社の姿勢や規制、業界の慣習といった技術以外の理由が大きいようなので、これらの課題がクリアされると案外早く普及する可能性がある。

一般的に持たれがちな不安点に対する回答も書かれていて、天然ガスは現実的に穴が少ないエネルギー源ということが認識できる1冊だと思う。




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