『地球日本史〈1〉日本とヨーロッパの同時勃興』:雨読夜話

ここでは、「『地球日本史〈1〉日本とヨーロッパの同時勃興』」 に関する記事を紹介しています。
地球日本史〈1〉日本とヨーロッパの同時勃興 (扶桑社文庫)
地球日本史〈1〉日本とヨーロッパの同時勃興 (扶桑社文庫)
西尾 幹二 (編集)
産経新聞ニュースサービス 2000-12

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産経新聞に連載されていた歴史論考をまとめている作品。
執筆には編集もした西尾幹二の他、川勝平太、岡田英弘、大石慎三郎、速見融といった有名な学者たちが当たっている。

このシリーズに流れるテーマとしては、自虐史観や西欧中心史観からの脱却や、戦国時代や江戸時代における日本や東アジアのすごさを再評価するといったところのようである。

それぞれの章で挙げられている話題としては、秀吉の外交思想や、伊達政宗による支倉常長のスペインへの派遣、日本が当時の世界貿易に与えていた影響などで、どれも読み応えがある。

例えば朝鮮出兵は秀吉の誇大妄想によるものとされることがあるが、実際はスペインと明の利権を争うという構図が背景にあるということで、近代日本がロシアやアメリカと中国の利権を争ったケースと似ていることが分かる。

また、支倉常長のスペイン派遣は伊達政宗の江戸幕府打倒計画の一環とされる説が強いが、この一行には幕府の船奉行である向井将監の一行が乗船しているなど、実際は幕府の協力のもとで実施されていることを知って驚いた。
この背景には日本がオランダとスペインのどちらを主要貿易国とするかで天秤にかけていたことも書かれていて、多くのIFがあったのだと思う。

当時の日本は銀の大産出国で、変に貯め込んだりせずに中国などの物産を購入していたことが書かれていて、こうした蓄積が江戸時代の文化につながったのだろうと感じた。
また、西欧では一本調子で軍拡を進めていったのに対し、日本では戦国期は世界最強の陸軍国だったのに江戸時代にあっさり軍縮を実施しているのは、確かに世界から見ると驚くべきことなのだろう。

思っていた以上に興味深い内容だったので、続編も読んでみることとする。




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