『いまこそアダム・スミスの話をしよう~目指すべき幸福と道徳と経済学~』:雨読夜話

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いまこそアダム・スミスの話をしよう~目指すべき幸福と道徳と経済学~
いまこそアダム・スミスの話をしよう~目指すべき幸福と道徳と経済学~
木暮太一
マトマ出版 2011-12-07

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「神の見えざる手」という言葉から、市場原理主義の張本人であるかのような誤解やミスリードをされがちなアダム・スミスの思想について、『道徳感情論』と『国富論』をもとに解説している作品。

一般的には経済学者と思われることの多いアダム・スミスだが、実際にはむしろ哲学寄りの人物であり、大衆が幸福を得られる社会を実現することを中心に理論を組み立ててきたことが分かる。

幸福とはやましさや不安がないこととしていることや、「賢人」にとって一定以上の富は幸福にはあまり影響しないことなど、大きすぎない幸福を多くの人が感じるにはどうしたらいいかという考え方に好感が持てる。
また、人がやましさを感じないためのものさしとして、自身の中の裁判官(良心みたいなもの)と、周囲の人や社会から受ける評価を挙げているのも興味深い。

その上で、多くの人々が幸福を得るための手段として経済における自由競争や自由貿易を挙げており、「軽薄な人」による利益を求めての行動が経済を活発化させるとしている。
もっとも、どんな手段でもいいというのではなく、自由を制限するような独占や不正に対しては厳しい処置が必要としているのも理解できる。

読んでいくと、アダム・スミスが思っていた以上に本質的な幸福を考えていたこと、そしていかに曲解されてきたかが分かってくる。
本文でも書かれていたように時代的な制約はあるものの、アダム・スミスの思想はまだまだ十分に通用すると感じさせられる1冊だと思う。




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