『宇宙ヨットで太陽系を旅しよう――世界初! イカロスの挑戦』:雨読夜話

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宇宙ヨットで太陽系を旅しよう――世界初! イカロスの挑戦 (岩波ジュニア新書)
宇宙ヨットで太陽系を旅しよう――世界初! イカロスの挑戦 (岩波ジュニア新書)
森 治
岩波書店 2011-10-21

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世界初となる宇宙ヨットのプロジェクトであるイカロスについて、その責任者が語っている作品。
これはソーラー電力セイルと呼ばれ、大きく張った帆に太陽光(あるいは太陽風)の力を受けて進み、なおかつ帆の一部に太陽電池を搭載して電力も自給するというものである。

当初は木星探査のために計画されたものの、予算縮小やロケットの度重なる失敗などのために計画が縮小され、近世探査機のあかつきの「ついで」のような形で打ち上げられる事情が書かれている。
期間が短いことや技術的なハードルが高いこと、失敗した場合はプロジェクト自体が廃止になる恐れがあったなど、関係者はかなりの苦心をしたことが伝わってくる。
これに関連して、小型プロジェクトの意義やリスクを許容することの重要性について力説している部分も多く、こうしたところも読み応えがある。

技術的にもマストを使用せずに遠心力で帆を広げるシステムや、折り紙を利用した帆の広げ方、宇宙における環境の変化に耐えられる材質の利用など、かなり高度なことをやっていることが分かる。
特に、回転して帆を広げる部分については、スケートリンクでカーリングのストーンを使用して実験を行うなど、可能な部分での検証をきちんと行っていることが書かれている。

結果としてこのイカロスプロジェクトは成功し、2010年代の終わりにははやぶさでも使用されたイオンエンジンも搭載したソーラー電力セイルを打ち上げ、木星やトロヤ群小惑星を探査する計画が進められているという。
とても魅力的な計画なので、楽しみにしている。

以前読んだ『最新宇宙プロジェクトがわかる本』でイカロスのことを知って関心があったので、興味深く読むことができた。
このような面白い技術が、さらに普及していけばいいなと思っている。



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