『退職刑事〈2〉』:雨読夜話

ここでは、「『退職刑事〈2〉』」 に関する記事を紹介しています。
退職刑事〈2〉 (創元推理文庫)
退職刑事〈2〉 (創元推理文庫)
都筑 道夫
東京創元社 2002-11

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都筑道夫による代表作のひとつとも言える安楽椅子探偵ものミステリー連作シリーズの第2作。
第1作が面白かったので、時間は空いたが続いて読んだ。

基本的にはワトスン役を現役刑事の五郎と、ホームズ役に刑事を退職した父親=退職刑事の2人の会話で話が進み、たまに五郎の妻のや退職刑事の知人も事件の語り手として登場することもある。

五郎とその妻は名前が出るものの退職刑事の名は書かれておらず、退職刑事の知人からは「退職さん」という少々不思議な呼ばれ方をしていて、あまり名前を出さないようにする工夫というかこだわりが面白い。
ちなみに、五郎は「現職さん」と呼ばれていた・・・

本書で収録されているのは7作で、真冬なのにビキニを来た状態で亡くなった女性、ある駅のある都市に40分程度滞在して終電で帰宅する行動を1週間繰り返していた女性が死体で発見される事件、結婚式場で友人たちが見ている前で刺殺された花婿など、不可解な事件が退職刑事のもとに持ち込まれる。
そして五郎との掛け合いを通して、退職刑事の推理が徐々に明らかになっていく。

中にはそこまで話だけで推定していいのか?と思われるケースもあるが、おかしな状況からいかに事件を組み立てるかというミステリーの醍醐味を味わえる。
計画的な犯罪よりも偶発的な犯罪、そしてそれに伴っての関係者の行動が具体的に推理されているのが面白い。

いかにも安楽椅子ものらしい作品で、楽しむことができた。
このシリーズは第6作まで出ているので、この後もちょこちょこ読んでいくことになるかと思う。



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