『異星人の郷 下』:雨読夜話

ここでは、「『異星人の郷 下』」 に関する記事を紹介しています。
異星人の郷 下 (創元SF文庫)
異星人の郷 下 (創元SF文庫)
マイクル・フリン (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
東京創元社 2010-10-28

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中世ドイツにおける異星人とのファースト・コンタクトを描いたSF長編『異星人の郷 上』の下巻。

ルートヴィヒ司祭ら村人たちとクレンク人たちとの交流が続く一方、それぞれの知識や考え方に大きく差があり、それをどのように埋めるかが、ルートヴィヒとクレンク人のハンスとの問答で多く書かれている。

また、近隣からは悪魔が住み着いているといううわさが流れたり、他の領主が治める地方との関係、近隣を根城とする(日本でいうところの)山賊との戦いなど、ヨーロッパ中世ならではの出来事が物語に影響を与えていく。
そして極めつけとして、ペスト(黒死病)の大流行が徐々に北ホッホヴァルト村にも近づいていく。

一方でクレンク人は宇宙船を修理しようとしたり、内部で対立が発生したり、キリスト教に帰依する者がいたりするなど、こちらもまた多くのエピソードが発生する。

全体としては上巻で感じたのと同様に、キリスト教のしきたりや領主たちの関係、村人の生活など、物語を重厚にするための話が多く、テンポよく読むことが難しい。
一因としては、あまり知らないヨーロッパの時代小説という面もあるためだと思う。
おそらく、日本の歴史を舞台としたSF、例えば半村良の『産霊山秘録』あたりを翻訳しても、欧米人の読者に伝わりにくそうに感じるのと同様のことだろうと思う。

また、時代的な背景もあって話の流れがあまり明るくないことも、いまひとつ合わないところだった。
設定がしっかりしているところや細かな描写が評価が高いのだと思うが、エンターテイメントとしては構成や話のテンポに問題があると感じている。



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