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『世界史をつくった海賊』:雨読夜話

ここでは、「『世界史をつくった海賊』」 に関する記事を紹介しています。
世界史をつくった海賊 (ちくま新書)
世界史をつくった海賊 (ちくま新書)
竹田 いさみ
筑摩書房 2011-02-09

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イギリスの海賊が、エリザベス1世をはじめとする王室と結びついて経済発展に寄与した歴史を解説している作品。

16世紀のイギリスはスペインやポルトガル、オランダなどに比べると人口や造船技術、経済力などで出遅れており、この構図を覆すために採られた政策が、王室が秘密裏に海賊を支援するというプロジェクトだった。
当然略奪される側のスペインやポルトガルも貿易船の警備などの対策を立てているわけで、イギリスはスパイ網を張り巡らせるなどの情報戦を仕掛けていく。

その中で王室の船団と海賊の船団が共同して活動するケースも増え、スペインを破った海戦の際も、ドレークやホーキンズといった大物の海賊がイギリス海軍の将軍として指揮を執っていることが書かれていて興味深い。

また、この時期に商品や流通した銀やスパイス、コーヒー、お茶、そして中米でのサトウキビ農園での労働力としての奴隷といった話も多い。
この中では、スパイスは一般にイメージされるように肉の臭みを取るために珍重されたわけではなく、薬としての需要が大きかったのではないかという説が紹介されていたのに驚いた。

欧州の列強が植民地経営のために東インド会社という組織が作られたことは世界史の教科書に書かれているが、この東インド会社もまた、海賊が大きく関わっていて、大航海時代は大海賊時代という捉えることもできるのではないかと感じた。

イギリスについてすごいと思うのは、海賊というリスクが大きい事業(?)を一過性の繁栄ではなく、大英帝国への発展につなげているところで、このあたりがスペインやポルトガルと異なるところのように思った。
近世の海賊の実態の一部を知ることができ、面白かったと思う。




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