『日本文化の論点』:雨読夜話

ここでは、「『日本文化の論点』」 に関する記事を紹介しています。
日本文化の論点 (ちくま新書)
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宇野 常寛
筑摩書房 2013-03-05

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AKB48好きな評論家による、ここ10~15年くらいにおける日本の社会や文化の変遷を分析している作品。
著者はテレビや雑誌などで、漫画家の小林よしのりや社会学者の濱野智史らとAKB48について議論している人という印象が強い。

鉄道に過度に依存する東京では物理的な距離よりも鉄道での移動時間で場所を連想することから、地理が文化を規定する形だったのが、文化が地理を規定する形になっているとあり、東京に住んでいたことをあるので思い当るところがあった。

また、アイドルグループの握手会の会場が握手券販売時点で明示されていないことに代表されるように、イベントでは客を収容するハコのサイズが重要で、多少の地理的な違いは問題とされないことは以前はなかったことと書かれている。

そして、CDのような一方的に受け取る形のコンテンツが売り上げを落としているのに対し、ライブや握手会といった体験型のコンテンツが売り上げを伸ばしていることから、時代の変遷を感じることができる。

前半では”ある国民的アイドルグループ”とぼかした書き方を続けているが、AKB48をメインで扱った第4章ではそれまで抑えていたAKB48への愛(と現象の分析)を語っている。
文中にさりげなく”こんな簡単な答えが出てるのに、何にためらって見送ったのだろう。”とAKB48のシングル『大声ダイヤモンド』のフレーズを入れているところからすると、他にも小ネタを仕込んでいそうな気がする。

そこからAKB48システムの危険さや恋愛禁止条例にまつわる提言などに話は移るが、このあたりは思い入れが入りすぎてちょっとついていけない。

テレビや雑誌といった既存のメディアではなく、あくまで劇場や握手会といった必ずしもそうしたメディアに依存しない形で大きくなってきたことが書かれていて、消費者が求めるもののレベルが上がったのだと感じた。

その他、握手会での込み具合を読み違えて握手券を無駄にして落ち込んだり、イベントで知人の噂話をしていたのが動画サイトで中継されてその人と気まずくなるなどのエピソードなどもあり、ちょっと笑ってしまった。

ところどころ極論や思い入れの強すぎるところも見受けられたが、思いもしなかった着眼点があったりして興味深く読むことができた。




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