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九州国立博物館『江戸のサイエンス-武雄蘭学の軌跡』:雨読夜話

ここでは、「九州国立博物館『江戸のサイエンス-武雄蘭学の軌跡』」 に関する記事を紹介しています。



先日九州国立博物館へ『大ベトナム展』を観に行った際、文化交流展示室のトピック展示で『江戸のサイエンス-武雄蘭学の軌跡』(2013年4月16日~7月7日)をやっており、『大ベトナム展』のチケットで入場できたのでこれも観に行った。

これはTSUTAYAに運営を委託されたことがニュースで取り上げられることの多い武雄市図書館・歴史資料館が所蔵する武雄鍋島家伝来の蘭学資料が展示されている。

本展示の主人公に当たるのが鍋島茂義で、彼は幕末期における佐賀鍋島藩の家臣として、武雄の領主を務めていた。
幕末を扱った歴史小説にしばしば登場する有名な藩主・鍋島直正の義兄に当たり、鍋島藩の欧化路線に大きな影響を与えていたとあり、かなり驚いた。

その業績で最も目立つのは、砲術家の高島秋帆に弟子入りして日本流・西欧流それぞれで砲術の免許皆伝を受けたことで、まず大名や家老クラスでここまで学ぶ人物はあまりいない。
そして学んだことを家臣たちに教え、佐賀藩の兵装の近代化に大きく貢献している。
県民性から判断して肥前兵は、例えば薩摩兵や土佐兵、会津兵などに比べると弱かったはずなので、幕末から明治にかけては装備に助けられた部分も大きかったと思う。

さらに植物学者としても知られ、数々の薬草を栽培したり多くの標本や本を残している他、地理学や天文学にも通じていたことが分かり、今回初めて知った人物だっただけにその驚きも大きなものとなった。
一時期は天保の時代に蘭学を敵視した江戸町奉行の鳥居耀蔵ににらまれたこともあったようで、この時代進歩的な政策を実施することが大変だったことが分かる。

知らなかった人物の大きな業績を扱った展示で充実しており、行ってよかったと思う。
武雄の近くに行った際は武雄市図書館・歴史資料館にも行ってみたい。



幕末維新と佐賀藩―日本西洋化の原点 (中公新書)幕末維新と佐賀藩―日本西洋化の原点 (中公新書)

毛利 敏彦
中央公論新社 2008-07

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