『脱「ひとり勝ち」文明論』:雨読夜話

ここでは、「『脱「ひとり勝ち」文明論』」 に関する記事を紹介しています。
脱「ひとり勝ち」文明論
脱「ひとり勝ち」文明論
清水 浩
ミシマ社 2009-06-05

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太陽電池で走る電池自動車を開発した科学者による、太陽光発電と新型電池、電気自動車などによる新たな文明を提唱している作品。

始めの方で、著者が開発にかかわった電気自動車の写真が掲載されている。
これはタイヤが8本でちょっとフナムシやゴキブリを思わせるシルエットだが、現在の自動車も昔の人が見ればかなりヘンだったはずなので、あまりツッコむのはやめておく。

それよりもタイヤが8本で、しかもタイヤにモーターが仕込まれていることで、車内空間が現在のガソリン型自動車よりも広くとれるのは大きな魅力である。
しかもタイヤが多いことで滑らかな走行を実現しているらしく、タイヤのパンクにも強そうである。

その電気自動車を紹介した上で、環境にやさしい脱「ひとり勝ち」文明を提唱している。
実現には大企業がバリューチェーンに入っていて破壊的イノベーションがしづらい一方で、日本ではゆるやかな改革を成し遂げてきた実績があるともあり、読む人が希望を持てるような内容となっている。

少し気になったのは太陽電池を手放しで褒めているようなところで、太陽電池を製造する際に発生する有害物質などの環境への負荷、それから太陽光発電では製造業にとっては安定供給には厳しいことなどに対してはあまり触れられていないようだったので、この点の考察も欲しかったところである。
本書が書かれたのは民主党政権になる前で、その後太陽電池については菅直人のせいでかなりイメージが下がったような気がする。

それはそれとして、正しい方向に予算をきっちりかければ技術の進歩は比較的容易としていることや、既存の技術を組み合わせることで大きな成果をだせることなどが書かれており、科学技術への期待をさせる内容となっている。
なかなか興味深い1冊で、読んでよかったと思う。



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太田 光 田中 裕二 清水 浩
講談社 2007-10-31

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