『名将言行録 現代語訳』:雨読夜話

ここでは、「『名将言行録 現代語訳』」 に関する記事を紹介しています。
名将言行録 現代語訳 (講談社学術文庫)
名将言行録 現代語訳 (講談社学術文庫)
岡谷 繁実 (著), 北小路 健 (編集), 中澤 惠子 (編集)
講談社 2013-06-11

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明治時代に、館林藩出身の岡谷繁実が各藩に伝わる大名や武将たち192人のエピソードをまとめた『名将言行録』のうち、22人の部分を全て現代語訳した作品。
22人の内訳は下記となっている。
北条長氏(早雲)、太田資長(道灌)、山中幸盛(鹿之助)、毛利元就、武田晴信(信玄)、上杉輝虎(謙信)、直江兼続、織田信長、柴田勝家、池田輝政、蒲生氏郷、島津義久、伊達政宗、戸次鑑連(立花道雪)、高橋鎮種(紹運)、立花宗茂、豊臣秀吉、黒田孝高(如水)、福島正則、加藤清正、真田幸村、徳川家康

33年前に上・中・下の3冊で出版されたものを文庫版で1冊にして出しているため、761ページとかなり分厚い本となっていて、読むのにかなり時間がかかった。

ただし、それぞれの逸話が数行~2ページ程度の長さなので区切りが明確で、ちょこちょこ空いた時間に読んでいくことができる。

『名将言行録』の抄訳本はこれまで『[新訳]名将言行録-大乱世を生き抜いた192人のサムライたち』『「名将言行録」を読む―人生の勝敗を決める知恵の書』を読んでいてある程度有名なエピソードは知っているつもりだが、それ以外にも多くの逸話が伝わっていることを改めて認識した。

歴史小説で扱われている話、あまり受けないために使われていなさそうな話がそれぞれあり、どちらも興味深い。

当然ながら信長、秀吉、家康、信玄、謙信、元就といった有名な武将、そして家が存続している武将の逸話が多く、その家臣や滅ぼされた武将の逸話が少なめとなっている
もっと話が多くてもいいはずの島津義久や池田輝政らの話が少ないのは、著者の岡谷繁実が話を集められなかったためかもしれない。

また、家康や黒田如水、加藤清正などと仲の悪かった石田三成や小西行長などは明らかに悪役っぽく書かれていて、歴史は勝者によって創られるものだと感じた。
敗者としては福島正則のところで関ヶ原の合戦で敗れて八丈島に流刑となった後の宇喜多秀家が登場するところも感慨深い。

本書を読んで特に関心を持ったのは九州で活躍した立花宗茂で、戦いでの合理的な思想や見事すぎる出処進退を読むと、家臣や領民、諸大名たちから人気があった理由が分かる。

他にも、家康や秀吉のところでは織田信雄と小早川秀秋という、織田家と豊臣家を代表するバカ殿が揃って登場するシーンがあって笑ってしまうなど、見所が多い。

話によってはつまらなく感じるものもあるが、ためになる話、面白い話が多くて楽しめる。
本書に入っていない、残りの170人の話がどうなっているのかも気になってしまった。



新名将言行録 (河出文庫)新名将言行録 (河出文庫)

海音寺 潮五郎
河出書房新社 2009-02-04

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