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『中国の歴史(三)』 (中国歴史シリーズ):雨読夜話

ここでは、「『中国の歴史(三)』 (中国歴史シリーズ)」 に関する記事を紹介しています。
中国の歴史(三) (講談社文庫―中国歴史シリーズ)
中国の歴史(三) (講談社文庫―中国歴史シリーズ)
陳 舜臣
講談社 1990-12-04

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陳舜臣による中国の歴史シリーズの第3巻。
新、後漢、三国、西晋、五胡十六国と、激動の時代を扱っている。

これまでもしばしば政治に影響を与えてきた外戚や軍閥、遊牧民などの他に、宦官や士大夫といった階級も権力争いに参加し、さらに中国の歴史らしくなっていく。

『三国志演義』で有名な三国時代も扱われているが、分裂状態が続いたのは曹操、劉備、孫権がそれぞれすごかったからというよりも、力不足だったからと評していて面白い。
『三国志演義』でいい人扱いの劉備が実はかなりのくせ者としていたり、漢朝復興という蜀漢のスローガンがいかに世間からの支持を得る上で有効だったかという話もいい。

中華史観だと悪役とされがちな遊牧民だが、「漢」(のちの前趙)の劉渕(匈奴)、後趙の石勒(匈奴系)、前秦の符堅(チベット系)といった、遊牧民出身の指導者たちの魅力も描かれていて、このあたりは公平な見方に感心する。
そして、彼らが死んだり失脚すると内部抗争で弱体化するパターンもまた繰り返される。

分裂の時代によって、特に江南や四川などの地方の開発が促進されたことや、文化人の移動によって六朝文化などが花開いたことなども書かれており、興味深く読むことができる。



[本書の対象となっていた時代を扱った歴史小説]


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