『街道をゆく 35 オランダ紀行』:雨読夜話

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街道をゆく 35 オランダ紀行 (朝日文庫)
街道をゆく 35 オランダ紀行 (朝日文庫)
司馬 遼太郎
朝日新聞出版 2009-04-07

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司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズのオランダ編。
アムステルダムやライデン、マーストリヒトといったオランダの都市や農村の他、アントワープなど隣国のベルギーにも足を伸ばしている。

オランダと言えば低地を干拓して国土を造ったことで知られ、世界でもいち早い市民社会の成立、当時強大な植民地帝国を築いていたスペインからの独立戦争、貿易による繁栄、そしてそれを妬んだ英仏からの攻撃と、欧州の強国に囲まれた小国が苦闘してきたことが多くのエピソードとともに書かれている。

また、鎖国で知られる江戸時代に日本が清国とともに貿易をしていた国でもあり、三浦按針(ウィリアム・アダムズ)やヤン・ヨーステン、シーボルトといった江戸時代の日本に影響を与えた人物の話も出てくる。
オランダからもたらされた多くの書物によって既に幕末期の日本人は西欧の物理的な知識を理解しており、例えば福沢諭吉がアメリカを訪れても工場の機械を見てもさほど驚かなかったエピソードが紹介されている。

オランダは商人の気質が強い国のようで、これが教会の影響が強かったカトリックではなくプロテスタントが多くて宗教戦争を繰り広げたり、絵画も宗教画ではなく一般市民や静物画を描いたものが流行するなどの現象につながっていることも書かれていて興味深い。

絵画のところでは、レンブラントやルーベンス、そしてゴッホについてオランダらしさを考察している。
特にゴッホについては7章も割いていて少々食傷してしまったが、著者がゴッホに対する関心の強さはそれだけ伝わってきた。

後半ゴッホの話をしすぎたところはちょっと辛かったが、多くの興味深い話題がいくつも書かれていて、楽しんで読むことができた。




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