『世界史の中の日本 本当は何がすごいのか』:雨読夜話

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世界史の中の日本 本当は何がすごいのか
世界史の中の日本 本当は何がすごいのか
田中 英道
扶桑社 2013-06-01

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現在の世界史は基本的に西欧からの見方のみで描かれているとし、日本からの視点でこれまで注目されてこなかった日本の良さを描いている作品。

大河のそばで興亡した四大文明では文字が発達していたので評価しやすいのに対して、日本では縄文時代に文字が使用されていなかったことであまり文明として評価されないことが多い。
しかし、三内丸山遺跡、ピラミッドや始皇帝陵よりも広大な仁徳天皇陵、多数ある埴輪の質が均一なことなどから実際は縄文や弥生の文明レベルは四大文明に匹敵し、自然破壊によって滅びずに継続してきたことが日本の強さの源となっているとしている。

日本が自然のさまざまなものを神として祀ることも継続性によるもので、ユーラシア大陸でユダヤ教やキリスト教といった一神教が成立背景としては、他民族に追われたことにあるとしていて、なかなか相互理解が進まないものらしい。

この、戦闘的な一神教の考え方が、ヨーロッパによる植民地支配につながったとしている。
そして、植民地支配が始まった大航海時代には鉄砲伝来から短期間のうちに銃の量産化を成功させたことで、スペインやポルトガルによる植民地支配から免れたことは重要な意味を持つことが分かってくる。
江戸時代初期に伊達政宗が派遣したとされる、支倉常長の慶長遣欧使節団がヨーロッパを訪れたことの重要性を語っており、これまで大きく扱われてこなかったことだけに少し驚く。

フランス革命やアメリカ独立戦争といった、西欧の史学では輝かしい成果とされている事件の暗黒面についても書かれていて、日本がこの種の弊害を免れてきたことはやはり高く評価したほうがいいと思った。

アメリカがフランクリン・ルーズベルトの頃にユダヤ人ロビーの影響もあって親ソとなったことが日米戦争の原因の一つとなっていて、日本は戦前・戦後一貫してロシア・ソ連(そして社会主義や共産主義)と戦ってきたと書かれ、そこでも日本の一貫性が出ていることにも驚く。

植民地支配と社会主義・共産主義と戦ってきたということは、キリスト教世界の問題点と戦ってきたということになるのかなと感じ、中国や韓国などの反日国を除いたアジアやアフリカの国々に日本が評価されてきた事情の一端が分かってくる。

各章の末尾には、日本がオランダやイギリス、ロシアといった諸外国との交流の歴史についてのコラムが掲載され、ここでも知らなかったエピソードが多数紹介されている。

多くの論点が分かりやすい文体で書かれており、日本のことをさらに良く知ろうと思った。
著者の作品も、他に何冊か読んでみようと思う。



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