『本当は謎がない「古代史」』:雨読夜話

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本当は謎がない「古代史」 (ソフトバンク新書)
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八幡 和郎
ソフトバンククリエイティブ 2010-11-18

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日本古代史では戦前の皇国史観がある一方で、邪馬台国論争や騎馬民族説などの異説も多くて話題が多いが、実際は古事記・日本書紀(記紀)の記述とそれほどかけ離れたものではなかったのではないかとしている作品。

記紀ではフィクション扱いされる原因の一つに年代の長さがあるが、その点を除けば解釈次第で収まりのいい実態だったのかもしれないと思わされてくる。
以前読んだ『古代天皇はなぜ殺されたのか』では古代では半年を1年と数えていたのではないかと書かれていて、それを踏まえると中国などの史料との整合性も取れそうである。

具体的には神武東征は大軍はなく少数で九州から近畿に入ったらしいことや、『魏志倭人伝』の邪馬台国に関する記述は途中からあいまいに書かれていて手がかりとなりづらいこと、王朝交代説の根拠が薄弱なことなどを歴史上の他の例も引いて論じている。

この中では、天武天皇や藤原不比等が歴史の黒幕だったとする歴史観に対して過大評価しすぎているとし、この手の考えを「プロジェクトX史観」と読んでいるのが笑ってしまった。

また、飛鳥時代から奈良時代にかけての政情の話、例えば敏達天皇系と用明天皇系の対立や、施基皇子(光仁天皇の父)や川島皇子といった壬申の乱で亡くなった大友皇子(弘文天皇)の弟たちが天武天皇にそれなりに重用されたこと、藤原仲麻呂(恵美押勝)の大陸進出計画など、これまで教科書で読んでいたものと異なる受け取り方ができる話が出てきて興味深い。

著者が官僚出身ということがあるためかどうか、上から目線で品のない悪口が少々気になるが、それ以外はなかなか楽しめた1冊だったと思う。





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