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『大航宙時代-星海への旅立ち』:雨読夜話

ここでは、「『大航宙時代-星海への旅立ち』」 に関する記事を紹介しています。
大航宙時代: 星海への旅立ち (ハヤカワ文庫 SF ロ 9-1)
大航宙時代: 星海への旅立ち (ハヤカワ文庫 SF ロ 9-1)
ネイサン・ローウェル (著), 中原 尚哉 (翻訳)
早川書房 2014-04-10

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商用の宇宙船に乗り込んだ青年が成長していく、王道な長編SF。

主人公のイシューは企業惑星に勤める研究者の母親が事故死したことにより住んでいた惑星からの立ち退きを通告され、生活費を稼ぐために商船のロイス号に司厨員(コック補助)として働くことになる。

イシューが最初に得た資格が四半株というもので、原題も『QUATER SHARE』(四半株)となっている。
これを直訳しても何のことか分からないことと、舞台を例えばルネサンス期におけるイタリア都市国家の船乗りに置き換えても話が成立しそうなので、大航海時代をもじった『大航宙時代』という邦題になっていると思われる。

イシューは職を続けるために船内の業務資格を取得すべく勉強したり、同僚のピップと組んで個人に割り当てられた質量の枠内で個人貿易を試みたり、異なるセクションに属する他の船員たちと協力関係を築いていくなど、現状を改善するためにさまざまな働きかけをしていく。

ロイス号が惑星系内では太陽風を受けて進み、惑星間はワープ航法で進むことは少し目新しいが、それ以外は一般的な宇宙を舞台としたSFに登場する道具がほとんどであり、すんなり読んでいける。
元々オーディオブック用に書かれたそうなので、例えばワープ航法のハードSF的な解説のように想像するのに時間がかかるものは入れなかったのだろう。

船員同士のいさかいとか、不慮の大事故による混乱、異星人とのトラブルといったものが出てこないのも安心感がある。
話の作り方によっては地味で単調になる危険があるものを、ぐいぐい読んでいけるのはテンポがいいからだと思う。

今年読んだSFのベストになりそうな気がする。
原書は『太陽風帆船の黄金時代』シリーズとして第6冊まで出ているそうなので、翻訳・発行されるのを楽しみにしている。




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