『資本主義の終焉と歴史の危機』:雨読夜話

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資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
水野 和夫
集英社 2014-03-14

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資本主義は格差があること、資源が豊富にあることを前提に動いてきたが、新興国の台頭などでフロンティアがなくなったことで行きづまり、金融やITで延命を図ってきたのが限界にきていることを語っている作品。

利潤が極端に少なくなるという意味で似たような事例は中世におけるイタリアのヴェネチアでも発生していた話から始まり、この時はその後に大航海時代や産業革命が起こったのでその後も資本主義は続いたと語っているのに驚く。

そして先進国の中では日本が最初に資本主義の限界に突き当たったとしていて、だからこそ次の段階に進むには有利な位置にあるとしている。
そしてアベノミクスは無駄どころか有害と批判している。

それらを踏まえて資本主義後の世界システムが今後必要となるが、これまでも多くの哲学者や思想家が長年やってきたことなのですぐにはできないと、エリートに任せるかのような論調につながっているのは少々がっかりする。

それまでには資本主義のクラッシュを避け、低成長かゼロ成長、悪くてもマイナス幅を少なくすることで時間稼ぎをすべきと当面の処置を説いている。

読んでいて、制限のかかっていない資本主義は崩壊に向かうという考え方は合っていると思う。
しかし単にダメなので次を待つという論調を読んでいて楽しくないのは、私が成長を求める資本主義の病に冒されているからなのだろうか?

歴史上従来の体制が行きづまった後にどう解決されたかの事例、低成長だがそれなりに充実していた可能性がある時代(例えば江戸時代)もあるわけで、そのあたりも踏まえてもう少し希望を持たせるような論調にできないのかなと感じた。
未来予想はこれまで外れることもままあったので、時間が経って本書の危惧が杞憂に終わればいいと思う。




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