『中国自壊: 賢すぎる支配者の悲劇』:雨読夜話

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中国自壊: 賢すぎる支配者の悲劇
中国自壊: 賢すぎる支配者の悲劇
増田 悦佐
東洋経済新報社 2013-06-28

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増田悦佐 による、主に中国共産党政府による身分制度の悪質さと、それが限界に達して崩壊が迫っていることを解説している作品。

身分制度というのは都市戸籍と農村戸籍というもので、多数を占める農村戸籍の住民は十分な社会福祉が受けられなかったり都市に定住する権利が認められていないなどの差別を受けており、都市戸籍の住民に対しては民主化すると現在の既得権益を失うことになるという脅しによって共産党を支持させるという分断政策を行っている。

また、多くの国では経済成長するに従って国民の経済レベルも上がるのが普通だが、これを行うと消費だけでなく政治的な権利も要求することにつながるわけで、共産党は意図的に経済成長の成果を(都市戸籍を含む)住民に振り向けずに経済レベルを低いままにしているという。

それでは経済成長の成果がどこに向かうかというと、「親方五星紅旗」で利権を分配するのが役目の国営企業、それらから共産党幹部や人民解放軍高級将校へ賄賂、そして経済成長という見た目を維持するための資源の買い漁りや利用されることをあまり考慮していない鉄道や施設の建設などで、あまりのもったいなさに引く。
その国営企業ができない経済成長をやっているのが外資系企業ということで、変な分業がなされている。

こうした傾向は鄧小平が「社会主義市場経済」を始めた頃から顕著になり、これは資本主義と社会主義それぞれの暗黒面を併せ持つシステムであることが書かれている。

共産党幹部たちの言動は宋代で完成した科挙で採用された官僚たちの悪しき伝統を継いでいることを書いていて、権力争いや搾取についてはきわめて悪賢い一方で長期的な視点に欠けたり想定外の事態に対応できないこと、貴族と違って一代で財をなす必要な分だけ強欲になることなどが書かれている。

これまで続いてきたこの体制も限界がきていることを輸入量の減少や米国債の取り崩しなどの各種指標で解説していて、中国の買い漁りで潤ってきた資源国も巻き添えを食らうことが書かれている。

そして現在の共産党政府が崩壊したらどうなるのか?という問題に対しては、元、明、清などの末路から類推して、体制を守るために内戦が起こる確率よりも高級幹部が海外に逃亡することで共産党体制が終わる確率が高いのではないかとしている。
反日イデオロギーに凝り固まった中国人は日本に難民として来ないとも言っているが、反日自体が建前という面もあると思うので楽観視は危険だとも思った。

中国共産党の支配がいかに恐ろしいかを知ることができ、興味深く読んでいった。




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