『食味風々録』(朗読CD):雨読夜話

ここでは、「『食味風々録』(朗読CD)」 に関する記事を紹介しています。
食味風々録 新潮CD食味風々録 新潮CD

阿川 弘之 (著), 阿川 佐和子 (ナレーション)
新潮社 2008-06

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阿川弘之による食事に関するエッセイ4編を、娘でタレント・エッセイストの阿川佐和子が朗読しているCD。

年をとって耳が遠くなり、聞き違えが多くなったことを編集者に話していたところ、聞き違えの内容が”スニーカー→墨烏賊”のように食べ物にまつわるものばかりだったことから、食についてのエッセイを書いてはと勧められて書いた作品で、米とカレー、うなぎ、食堂車、置き土産(書き残した食べ物)について語られている。

日本のごはんはそれ自体とちょっとしたつけあわせだけで食べられるくらいおいしく、食にうるさい作家・実業家の邱永漢も「日本のごはんはひとつの料理」と語ったという話や、知り合いの音楽家がウィーンの下宿でごはんを炊いていたら目を離した隙に下宿のおばさんにオリーブオイルを入れられたという悲しいエピソードなどが紹介されている。

「少年よ、大志を抱け」で知られるクラークが教えていた札幌農学校では米食禁止がルールだったが、「ライスカレーはその限りにあらず」とされたことや、軍のメニューになったことなどからカレーが普及した過程も語っている。

うなぎに関しては作家の北杜夫が自分の葬式でうなぎを出すかどうかという話や、北の父親で歌人の斎藤茂吉が大のうなぎ好きでうなぎに釣られて講演を引き受けたエピソード、著者がうなぎ屋で落語家の林家木久蔵(現在は木久扇)と出会ったことなどを扱っている。

他にも食堂車では過去の思い出、置き土産についてはスペインでうなぎの稚魚をオリーブオイルで煮たアングラスという料理のおいしさなどについて語っていて、ユーモアある上品な語り口に好感が持てる。

佐和子さんがところどころで笑いを押し殺したような感じになっているのも良かった。
思っていた以上に面白いエッセイだったので、何冊か読んでみようと思った。




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