『日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】』:雨読夜話

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日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)
日本史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】 (PHP文庫)
竹村 公太郎
PHP研究所 2014-02-05

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元建設官僚による日本史の謎を地形から考察した『日本史の謎は「地形」で解ける』の文明・文化篇として書かれた続編。

江戸=東京に関する話、エネルギーや水についての背景、日本の地形による日本人の気質や行動様式などの話がなされ、興味深い。

エネルギー関連では森林が燃料として伐採されて都市の盛衰に直結していたことを指摘し、家康が江戸を選んだのは森林資源が豊富に残っていたことや、幕末には日本全国で伐採が進んで禿山だらけになっていたことを広重の絵から説明し、開国で石炭文明が入ったことで森林が再生できたことを知り、エネルギーの観点からも鎖国は限界を迎えていたのだろうと感じた。
また、現在のエネルギー問題の解決策のひとつとして既存ダムの嵩上げと水力発電化を提唱していることが注目に値する。

水については、江戸時代に行われた利根川の江戸湾から銚子への付け替えを行った理由が江戸を洪水から守る以外にも、東北の仮想敵だった伊達政宗の軍勢が進軍しやすい上総地方を川で遮るという意図があった話に驚く。
水資源に恵まれない横浜では多摩川からのもらい水をやめて遠い相模川からの上水を引くまでの物語や、札幌のある石狩平野を流れる石狩川の川筋をまっすぐにしたのは治水だけでなく、泥炭の土壌から地下水を排水して米を作りやすくするためだったという話が書かれている。

日本人の気質的なところでは、李御寧の『縮み志向の日本人』に書かれるような日本人のコンパクト志向や将棋の駒が他国のチェスなどと異なり平らな理由として、地形的に牛車や馬車が使いにくくて徒歩での移動が主体のために持ち運びのしやすさを求めた結果ではないかと考察しているのになるほどと思った。
また、エジプトで列車が捨てられていたりアメリカの砂漠に4000機ものジェット機が廃棄されている写真を紹介し、日本人のもったいないという気質は本質的に移動型ではなく定住型の伝統があり、あるものを再利用する習慣が根付いているためという話も目を引いた。

番外編として、『日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント』でも扱われていたピラミッドの謎も考察していて、本作でさらにナイル河口近くにある3基の巨大ピラミッドの謎についてもひとつの仮説を語っている。

これだけで考えるのは危険だが、普段あまりにも基本的すぎて見過ごされがちな地形や気候から考えることの重要さと面白さを与えてくれるシリーズだと思った。




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