『船場狂い』:雨読夜話

ここでは、「『船場狂い』」 に関する記事を紹介しています。
船場狂い 新潮CD船場狂い 新潮CD

山崎 豊子
新潮社 2008-02

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山崎豊子による短編集『しぶちん』に収録されている短編を収録した朗読CD。
先日聴いた『しぶちん』の朗読CDが期待以上に面白かったので、続けて聴いてみた。

大正から昭和、戦後にかけての大阪・船場が舞台で、船場と堀ひとつ隔てたところの商家の娘に生まれた久女(くめ)が主人公となっている。

船場というところは主人を「だんはん」(旦那様)、奥さんを「ごりょんはん」(御料人さん)と呼ぶなど独特のしきたりがあり、商人の中でも他とは異なる一ランク上の存在として扱われていたようなことが書かれている。

久女はこれに対して子供の頃から強烈な劣等感と憧れを持っており、いつか船場の住民になれるようにしきたりを習ったり、船場風の振る舞いを自分が行うだけでなく使用人などにも強要するなど、周囲の人たちから引かれるくらいの言動を繰り返している。

船場の向かい岸にある小間物問屋へ嫁いだ後もその志向は変わらず、蓄財して船場に店を構えるという強烈なモチベーションによって商いに精を出すという結果をもたらしている。

『しぶちん』同様に強烈なキャラクターの主人公が生き生きとユーモラスに描かれていて、本作も楽しんで聴くことができた。




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