『明治国家のこと-幕末・明治論コレクション』:雨読夜話

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明治国家のこと: 幕末・明治論コレクション (ちくま文庫)
明治国家のこと: 幕末・明治論コレクション (ちくま文庫)
司馬 遼太郎 (著), 関川 夏央 (編集)
筑摩書房 2015-03-10

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司馬遼太郎による、明治維新後の国家建設や日露戦争に関するエッセイや対談を集めている作品。
先日読んだ『幕末維新のこと-幕末・明治論コレクション』の続編に当たる。

作品としては西郷と大久保を中心に描いている『翔ぶが如く』や、日露戦争を舞台に秋山好古・真之兄弟と正岡子規が主役となっている『坂の上の雲』についても話が中心となっている。
『坂の上の雲』は以前読みかけたものの、日露戦争での地味で鬱々とした戦争シーンが続くのがつらくなり、読むのを止めてしまった記憶がある。

日露戦争以外で扱われている話としては、明治維新の成功を支えた幕藩体制の多様性、大久保のすごさと西郷のわかりにくさ、正岡子規によるリアリズム、欧米諸国の政治情勢の変化が明治国家に与えた影響など多岐にわたる。

日露戦争がらみでは、戦争までは明治維新を成し遂げた下級武士たちによるリアリズムがあったのに、それ以降は現実を無視した思想が広がって敗戦につながっていったことや、旅順を攻めた乃木希典の軍が多数の兵を無為に死なせたことのやるせなさ、陸戦でロシア軍が後退していたのはナポレオンを破った時のように日本軍の補給線が延びきるのを狙っていたなど、重い話が多い。

庶民がある意味気楽だった江戸時代から国民国家へと変っていく上でさまざまな苦しみを経たのが明治時代だったことが分かってくる。
それでも時代の雰囲気を明るい感じにしていたのが明治天皇だったと語られていて、その偉大さはなんとなく想像していた以上のものなのだろうと思った。

第二次世界大戦に至る軍部の暴走につながる話など重い話が多くて読むのがつらいところもあったが、それだけに重要なことでもあると感じた。
あまりこのあたりの時代の本は読んでこなかったような気がするので、多少は読んでみようと思う。




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