『劉邦(上)』:雨読夜話

ここでは、「『劉邦(上)』」 に関する記事を紹介しています。
劉邦(上)
劉邦(上)宮城谷 昌光
毎日新聞出版 2015-05-16

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宮城谷昌光による、前漢の高祖劉邦を描いた歴史小説の上巻。

話は劉邦が寧君と呼ばれる盗賊を捜索していた際、刺客2人に殺されかけるところから始まる。
その頃劉邦が就いていた役職は亭長といい、現在で言えば交番勤務の警察官レベルらしく、『こち亀』の両さん(両津勘吉)みたいなものだろうと思っている。

その後、始皇帝の陵墓建設のために沛県から派遣される人員のまとめ役として出かけることになったが、逃亡者が続出して厳罰を免れなくなったため、劉邦とその仲間たちも集団で逃亡することになる。

そこから陳勝・呉広の反乱に乗じて沛県を掌握して沛公となり、劉邦の一団が少しずつ軍隊らしくなっていくところで上巻が終わる。
ここではまだ後に軍師となる張良やライバルの項羽は登場していない。

後に前漢の功臣となる蕭何、曹参、夏候嬰、樊噲、盧綰、周勃といった面々が活躍し、それ以外で必ずしも有名でないと思われるが、後に将軍や官僚、領主などに出世する人物が何人も登場する。
偶然劉邦についていったのが大きな幸運につながっているのが興味深い。

どうしても司馬遼太郎の『項羽と劉邦』で描かれている劉邦のイメージを強く持ってしまっているが、本作ではまた異なる劉邦象になっているのが新鮮である。
人望があって人の資質を見抜いたり意見の良否を判断することに長けた人物という部分は同様だが、下品な振る舞いが少なくて達観した感じになっているのが面白い。

地図がついていて地理的なイメージを持ちやすくなっていて助かるが、登場人物が多いので主な登場人物一覧もつけてあればいいのにとも思った。

新たな劉邦の歴史小説ということでテンションが上がりながら読んでいったので、続編も早く読むつもりである。




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