『彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス』:雨読夜話

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彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス (ハヤカワ文庫SF)
彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス (ハヤカワ文庫SF)
ジャック・キャンベル (著), 寺田 克也 (イラスト), 月岡 小穂 (翻訳)
早川書房 2008-10-23

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人類の対立する2陣営における星間戦争において、100年前の冷凍睡眠からよみがえった軍人が艦隊の司令官として活躍するシリーズの第1巻。

民主主義のアライアンス(星系連盟)と全体主義のシンディック(惑星連合)の戦争が続く中、アライアンスに属する宇宙戦艦の艦長だったギアリーは艦が撃沈されたために乗組員全員を退避させ、自らは冷凍睡眠の脱出ポッドに入った。

そして味方の艦隊に回収され冷凍睡眠から目覚めると100年が経過していて、自らが伝説の英雄として偶像化されていることを知り愕然とする。

しかも艦隊は敵の罠にかかって大敗した上に包囲されている最悪の状況で、さまざまないきさつから艦隊の指揮を執って脱出をしなければならなくなる。

伝説の英雄としてギアリーを崇拝する士官や兵がいる一方、ギアリーに対し反感を抱いたり平気で命令違反をする士官がいたり、戦争の長期化によってベテランの士官が育つ前に戦死したことによる練度の低下、戦略や戦術が退化していることなど、多くの問題があることが分かってくる。
しかも艦隊には同盟勢力の政治家も同乗していて、駆け引きに神経を使うシーンがしばしば出てくる。

伝説上のギアリーの勇敢さはかなり一人歩きしていて、とにかく敵に突っ込んで戦うのがいいという風潮が蔓延しているところは、ある国のある時期の軍隊を思い起こしてしまう。

そして単なる戦略や戦術だけではなく、人間臭いやり取りを繰り返しているのが物語に厚みを加えている。

宇宙艦隊を指揮する感じが鷹見一幸の『宇宙軍士官学校』シリーズに近いと思っていたら、その鷹見氏が解説を書いていたのでちょっと驚いた。

解説でも書かれているように、謎となっている部分がところどころで出てきて次回以降への伏線となっていることや、通信や映像データを受信するのにタイムラグがあるなどのリアルさもあり、かなり読み応えのある作品となっている。

思った以上に面白かったので、続編も読むつもりである。





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