『「歴史」を動かす―東アジアのなかの日本史』:雨読夜話

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「歴史」を動かす―東アジアのなかの日本史
「歴史」を動かす―東アジアのなかの日本史
小島 毅
亜紀書房 2011-08-02

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中国思想史を専門とする学者による、日本史が東アジアの情勢とどう関連していたのかを語った講演などをまとめている作品。

まず、幕末と明治では思想的にもがらっと変わっているようなイメージがあるが、儒教の思想から幕末・明治の人物の言動が解説され、思想的には連続しているとしている。
江戸時代に上部にある思想として儒教、下部にある習慣として仏教という構造が定着していて、儒教の部分を西欧文明に変更することで対応可能だったという話には少し驚くし、西欧文明の中でもキリスト教は遅れた風習を引きずっていると考えられていたという説は古びていないように思える。

このあたりが儒教を生活習慣にまで根付いていた中国やコリアと大きく異なっており、認識の違いが近代に日本とコリアの不幸な歴史につながっていて、日本人が良かれと思ってやったことが逆に反発を受けたことに割り切れない思いがある。
どうやら中国やコリアに対しては変に友好ムードを演出してはいけないようで、ドライな対応が合っているのではないかと感じた。

そして中盤では織田信長と明の隆盛期、足利義満と明の冊封体制、平清盛と宋の貿易など、日本だけのことが語られがちな時代でも中国や近隣諸国の影響がある話をしていて、終盤では南北朝時代が発生した背景やその後に行われた「どちらが正統か」という論争に朱子学の思想が影響している話などをしている。

そこそこ興味深い内容ではあるが、読む前に期待していたほど面白くはなかった。





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