『大尉の盟約(上・下)』:雨読夜話

ここでは、「『大尉の盟約(上・下)』」 に関する記事を紹介しています。
大尉の盟約〈上〉 (創元SF文庫)大尉の盟約〈上〉 (創元SF文庫)

ロイス・マクマスター・ビジョルド (著), 小木曽 絢子 (翻訳)
東京創元社 2015-09-19

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
大尉の盟約〈下〉 (創元SF文庫)大尉の盟約〈下〉 (創元SF文庫)

ロイス・マクマスター・ビジョルド (著), 小木曽 絢子 (翻訳)
東京創元社 2015-09-19

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


星間帝国で王族の青年が活躍するSFシリーズの長編。

このシリーズではマイルズという人物が主人公で、マイルズの従兄弟に当たるイワンは脇役の扱いだが、本作はスピンオフの位置づけとなるため、イワンが主人公を務めている。

軍の大尉として提督の秘書的なポジションで働いているイワンはある日、親族で諜報員のバイアリーから、敵対する組織に追われているテユという女性を誘拐して保護するように依頼を受け、彼女を訪ねたところ逆に気絶させられた上に監禁されてしまう。

その後いくつかのやり取りがあった後、イワンは追い込まれている状況を打破するためにテユと偽装結婚をすることを思いつき、話が大きく展開していく。

緊急手段として結婚を選んだイワンとテユだったが、中盤で必ずしも結婚を続けなくてもいいかもしれない状況になりつつあることに気づいた後も、お互いが複雑な感情を見せ合うあたりが物語のポイントになっている。

舞台はバラヤー帝国というイワンも連なるヴォル一族が支配する星間帝国で、一時的にワープ航法ができなくなった孤立時代や、他の星間帝国に占領された時期、皇位をめぐるクーデター騒ぎなど、多くの歴史を経ていることが書かれている。

登場人物でもテユと行動を共にするリッシュ、イワンの母親であるアリス、アリスのパートナーで元機密保安庁長官のシモンなど、個性豊かな人物が次々と登場して話を盛り上げていく。

スケールが大きい舞台に各種設定が細かく作りこまれたシリーズのようで、上巻の途中までは舞台設定を理解するのに時間がかかったが、登場人物たちが思い出話をしたり異邦人であるテユが質問したりすることで説明がなされていき、話にのめりこんでいった。

かなりの読みごたえがあり、他にどのような出来事があったのか気になってしまうような作り方が実にうまい。
このシリーズは多くの作品が出ているので、他も読んでみようと思う。





にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック