長期投資を売りにしている日本初の独立系投資信託会社・さわかみファンドの創業者による、長期投資の勧めを語っている作品。
少し前に初めてさわかみファンドが主催している投資の勉強会に参加し、なかなかためになったので澤上氏の著作を久しぶりに読んでみようと思い、古本市に10円で販売されていたものを購入した。
さわかみファンド自体は数年前から積み立てで購入していて、現在のところパフォーマンスは悪くないように見える。
そして勉強会では現在の経済状況について、売るタイミングを狙っている投資家が多いと見て、相場が下がるのを待って株を購入する予定だという話だった。
本書では長期投資の有用性と見過ごしにされがちだった経緯、そこから長期投資の株式投資編と投資信託編、さらに長期投資についての見通しについて書かれている。
不況は長期投資化によって買い時であり、応援する企業を買い支える時期でもあるのだが、90年代のバブル崩壊では長期投資化が少なかったことが不況を長続きさせて非常に残念だったとしていて、なるほどと思った。
株式投資編では応援したい企業を選定し、年に2~3回くらいある値下がりの時期や不況の時期に株を買い増し、相場が過熱気味の時期に少しずつ売却して利益を確定するという方法を語っている。
読んでいてそんなに値動きをチェックし続けるのは大変だと思っていたら、夏枯れ相場というものがあるそうで、夏休み前には一旦ポジションをクローズするための売りが出て相場全体が下がる傾向にあるようなので、この時期を注目したい。
投資信託編では少しずつノーロード(販売手数料無料)の投資信託が増えているとして、著者の共著『長期運用時代の大本命!ファンドオブファンズ入門』でも紹介されていた「ありがとう投信」や、最近ネットのバナー広告でよく目にするセゾン投信などのことが書かれている。
そういえば先日の勉強会では日本株を主体とするさわかみファンドでは海外への投資はどのように考えているのか?という質問に対し、例えばインドへの投資ではスズキを通して行っているという形で回答されていた。
海外のインデックスファンドにも関心があるので、手数料が安い「ニッセイ外国株式インデックスファンド」か、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」のどちらかの購入も検討している。
複数の投資信託に投資するファンド・オブ・ファンズについては信託報酬が二重に取られて不利なのでは?という疑念があるが、これにも購入価格に織り込まれているのでそこまで気にする必要はないと書かれていて、素人が購入できないファンドの購入手数料と考えればまあ理解はできる。
長期投資や株式の売買タイミング、投資信託などに関する知見を深めることができたので、読んで良かったと思う。

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