『世界史の10人』:雨読夜話

ここでは、「『世界史の10人』」 に関する記事を紹介しています。
世界史の10人
世界史の10人出口 治明
文藝春秋 2015-10-31

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ライフネット生命の会長による、世界史上の偉人を10人ピックアップして彼ら・彼女らが成した業績の意義を紹介している作品。
以前読んだ著書の『仕事に効く 教養としての「世界史」』が面白かったので本書も読んでみた。

扱われているのは下記の10人で、日本ではほとんど知られていなかったり、いまいちな評価を受けることが多い人物がいたりして、マニアックな興味をかきたてられる。
  • バイバルス : マムルーク朝エジプトでマムルーク(適切な訳語がないが、スルタンに養われた兵)からスルタンに出世後、モンゴル軍の撃退に成功。敵の敵ならばモンゴルの一派とも結ぶ現実的な外交も行っている。

  • クビライ : チンギス・ハンの孫で大元ウルス初代皇帝。銀の流通によるユーラシアを横断した交易システムを構築した。

  • バーブル : ティムールの子孫で父祖の地であるサマルカンドを諦めてインドに転進し、ムガール帝国を建国。

  • 武則天 : 唐の皇后から中国史上唯一の女帝となった女傑。

  • 王安石 : 北宋の政治家で、時代を何百年も先取りした改革を行おうとした。

  • アリエノール : フランスの大貴族の家に生まれた女性でイギリス国王と結婚したことで両国の王族に多くの子孫を残した「ヨーロッパの祖母」

  • フェデリーコ2世 : シチリア国王と神聖ローマ皇帝を務め、必要に応じてムスリムとも交渉したり中央集権化を進めるなど、ローマ教皇の権威にとらわれない政治を行う。

  • エリザベス1世 : スペイン無敵艦隊を破った時期のイギリス女王で、イメージに反して優柔不断な言動が多かったが、それが国益に資することが多かった。

  • エカチェリーナ2世 : ドイツの下流貴族の家からロシアのロマノフ皇室に嫁ぎ、さまざまないきさつがあって女帝として君臨。

  • ナポレオン3世 : ナポレオン・ボナパルトの甥で遊び人として知られていたがフランス皇帝に登りつめる。失敗も多かったがフランスの近代化や産業振興、今に残る美しいパリの街づくりに取り組むなど評価が難しい人物。

この10人の業績と合わせて当時の政治情勢や後の人物がロールモデルとして参考したと思われる事例、一面ばかりが語られてきた歴史的な事柄への別の角度からの話なども書かれていて読みごたえがある。

著者はあとがきで、ソ連崩壊によってペルシア語やアラビア語、トルコ語などで書かれた文献が知られるようになって中国の文献と比較できるようになったことで中央ユーラシアの歴史研究が進んだことや、人間の脳はそれほど進化していないことから歴史に学ぶことはとても役立つことなどが書かれていて、最新の研究なども読んでいると思われることが伝わってくる。

本書も十分以上に興味深い内容だったので、そのうち他の著作も読むことになるかと思う。





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