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『野球型 vs サッカー型 豊かさへの球技文化論』:雨読夜話

ここでは、「『野球型 vs サッカー型 豊かさへの球技文化論』」 に関する記事を紹介しています。
野球型 vs サッカー型 豊かさへの球技文化論 (平凡社新書)
野球型 vs サッカー型  豊かさへの球技文化論 (平凡社新書)
林 信吾
平凡社 2004-02-19

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企業の広告媒体としてのプロ野球と、地域クラブとしてのJリーグ、この2つを対比して日本のスポーツ文化のあり方を論じている。

著者はサッカーファンで、どうしてもサッカーの方に軍配を上げてしまう傾向はあるが、企業の広告媒体としてのプロ野球の問題は更に深刻なものとなっている。

この本が出たのは今年の2月だが、それからプロ野球では確定しているものだけでも
  • オリックスと大阪近鉄の合併
  • 選手会によるストライキ
  • ライブドアの近鉄買収と新球団設立の不許可
  • 新球団東北楽天の立ち上げ
  • 一場投手(明大→東北楽天)をめぐる裏金問題
  • ソフトバンクによる福岡ダイエーホークスの買収
  • ダイエー・井口選手の密約による自由契約
  • 西武ライオンズの親会社である西武鉄道とコクドの不祥事
  • 読売ジャイアンツの親会社である読売新聞社の不祥事
  • 岩隈投手の移籍問題
と数多くの問題が顕在化してしまった。

これらはプロ野球が企業の論理で動きすぎたことや、収入に不相応なほど選手の年俸が高くなりすぎたことが原因だと思う。

これに対しサッカーは横浜フリューゲルスの消滅や、ヴェルディ川崎から読売新聞社が手を引いて東京ヴェルディ1969になったなどの事件があるが、当時J2だったアルビレックス新潟の観客動員数が過去最高を記録するなど確実に一過性ではない人気を獲得しつつあるといえる。

本書の後半ではスタジアムのようなスポーツ施設の問題点を取り上げ、赤字がどうのとか無駄な公共事業だとかいうのは発想の貧困な議論であり、要は地域住民のために役に立ち、文化を豊かにするものであれば多少赤字でも納得できるものだという意見は、確かにそうだと思った。

最後の章では、2002年ワールドカップでカメルーン代表のキャンプ地となった大分県中津江村の事例を出し、必ずしも大金を投入しなくても知恵や工夫次第で文化交流はできると主張している。

それにしても、中津江村がカメルーンの選手たちに「文明から隔絶したような場所だ」と評されたと書いてあったのには笑ってしまった。




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