『「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史』:雨読夜話

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「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史
「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史
出口 治明
新潮社 2016-01-18

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ライフネット生命の会長による、自身の豊富な歴史知識を動員して語っている歴史読み物の上巻。
人類発生あたりから中国の明における永楽帝の治世あたりまでを扱っている。

普段イメージする中国やヨーロッパの歴史だけでなく、中東や中央アジアで進んできた歴史学の成果も反映されていて、かなり得をした気になる。
人名や国名を区別するのにつらい部分もあるが、少し前に著者の『世界史の10人』を読んでいたことが本書の理解にかなり役立った。

ヨーロッパではローマ教皇がローマ皇帝、フランク王、神聖ローマ皇帝、フランス王など、異民族や異教徒からイタリアを守ってくれる一方で強くなりすぎると困るという君主たちとの確執の歴史が繰り返されていることが分かってくる。
また、ヴェネチアやフィレンツェのようなイタリアの都市国家やハンザ同盟、神聖ローマ皇帝になれなかったドイツの領主たちもローマ教皇と利害が一致することも多く、中世にドイツが統一国家として振るわなかった事情も書かれている。

また、教会でざんげというか告白をする習慣は中世のローマ教会が始めたもので、これでローマ教皇はビッグデータを握ったことで、ヨーロッパ各国に対してさまざまな政治工作ができるようになった話にも驚いた。

ユーラシアの東側である中国では、グローバル型・重商主義・現実主義といった風潮と国粋主義・排他傾向・イデオロギー偏重の風潮が繰り返され、最終的には後者が優勢になったことで歴史の流れが逆向きになった話が書かれている。

前者には宋とキタイ(契丹、遼)の間で結ばれたような農耕民国家と遊牧民国家の共存システム、王安石の改革、大元ウルスのクビライによるユーラシアを横断する交易システムであり、後者は朱熹による朱子学、そして明の朱元璋(洪武帝)による毛沢東の政治に近いような政策がそれに当たる。

気候や気温の変化が歴史上の事件に大きく影響を及ぼした話や、大元ウルスでユーラシアの交易路が開かれたことで東・西・南にそれぞれ分かれていた風土病がペストの形で蔓延してしまった話など、歴史の教科書であまり大きく扱われないことも多く書かれていて、かなりの読みごたえがあった。




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