『街道をゆく 本郷界隈II』【用語解説・詳細地図付き】:雨読夜話

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司馬遼太郎『街道をゆく』【用語解説・詳細地図付き】本郷界隈II
司馬遼太郎『街道をゆく』【用語解説・詳細地図付き】本郷界隈II
司馬遼太郎
朝日新聞出版 2016-03-25

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司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズにおける東京の本郷編に用語解説や詳細地図をつけて読みやすくした作品の上巻。
体裁が異なることでいかに読みやすくなるかを実感しながら読んだ。

下巻では本郷が大名や旗本の邸だった性格と、明治時代に東京大学ができてお雇い外国人が来たことで「欧米文明の配電盤」としての役割を果たした話を中心に語っている。

大名の話では『水戸黄門』の主人公となった徳川光圀の話、そして祖国である明が滅亡した後に光圀から招かれて厚遇を受けた儒学者の朱舜水の話が印象に残る。
朱舜水は志士だったが特に業績は残していないことを語っていて、日本で人々から一方的に尊敬の念を受けたような話が書かれているのが興味深い。
また、光圀が前田家と近藤登之助というあくの強い旗本の間で発生したトラブルを仲裁したエピソードも印象に残る。

明治の話では、本郷を中心に欧米の文明が広まっていったことが日本人の「東京と地方」という意識構造につながっているとして、夏目漱石の『三四郎』を題材に語っている。
漱石は弟子で物理学者の寺田寅彦から聞いた話だけでリアルな実験シーンを書いていて、例えば芥川龍之介もそうだが文学にも数学的な素養や意識が大いに役立つのだろうと感じた。

文学がらみでは漱石の他にも坪内逍遥、樋口一葉、正岡子規といった人々の話が出てきて、例えば樋口一葉の父親の上司が夏目漱石の父親だったなど、思わぬ関係性が出ているのに驚かされる。

他にも江戸時代に北方探検で活躍した最上徳内や近藤重蔵、西欧流の砲学を定着させた高島秋帆、適塾で大村益次郎や福沢諭吉を教えた緒方洪庵など、読んだり聞いたりしたことのある人物のエピソードが書かれていてあまり飽きなかった。

「本郷」という響きだけだとあまりピンとこなかったが、多くの歴史上の話が詰まった興味深い場所だということが分かり、読んで良かったと思っている。






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