『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』:雨読夜話

ここでは、「『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』」 に関する記事を紹介しています。
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
エマニュエル・トッド (著), 堀 茂樹 (翻訳)
文藝春秋 2015-05-20

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フランスの人口学者による、ユーロの恩恵を受けてEUで支配的なポジションに立ったドイツが世界に混乱を与える恐れがあり、ドイツに追随するフランスのだらしなさを嘆いている作品。

副題にある「日本人への警告」とあるのは、ドイツが中国と結びつきを強めていることを指しているようで、確かにドイツは三国同盟を結ぶ以前はヴィルヘルム2世の黄禍論による三国干渉や第一次世界大戦での戦い、ヒトラーが日本と戦争している蒋介石政権を支援していたなど、警戒するポイントはそれなりにある。

ウクライナやクリミア半島におけるロシアと欧米諸国の対立ではロシアの横暴さが非難されがちだが、著者からするとむしろウクライナを支配下に置こうとしているドイツの方が問題だと語る。

そしてロシアは人口が増加しているので見くびるべきでないというところまではなるほどと思うが、比較的まっとうな外交を行っているという話になると納得しづらい。
見くびるべきでないなら警戒を強めるとなるのが普通なのだが、弱っているEUで力を強めるドイツの方を問題視しているのはよく分からない。

インタビュアーからもたびたび「ロシアびいきなの?」「そんなにドイツが嫌い?」という感じの質問を受けては違うと反論しているが、元々フランスはロシアに好意的でドイツと敵対的だったこともあり、そうした傾向から逃れられていないのかもしれない。

他にもフランス前大統領のサルコジや現大統領のオランドに対するダメ出し、四大銀行など富裕層による寡占への危機感、「ル・モンド」紙などマスコミにおける論調の偏りなどについても語っているが、フランスの国内事情がよく分からないので妥当性について判断できない。

著者の意見が欧米の知識人の意見とどれくらい異なっているのかよく分からないが、アメリカ人以外の外国人が外国の政情について語っているものを読む機会は少ないので、そういう意見もあると新鮮さを感じた。






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