『逆説の世界史 2 一神教のタブーと民族差別』:雨読夜話

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逆説の世界史 2 一神教のタブーと民族差別
逆説の世界史 2 一神教のタブーと民族差別
井沢 元彦
小学館 2016-05-16

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井沢元彦による『逆説の世界史』シリーズの第2作。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のという一神教の成立や考え方、争いが絶えない事情、ユダヤ人差別の実態、資本主義がイスラム教社会で成立せずにキリスト教世界で正立した理由などについて語っている。

それぞれの信者たちからのクレームを気にしているのか、「ある惑星上で成立した宗教」という表現をしばしば用いている。

日本のような多神教的な考え方が主流の社会では一神教の考え方が理解しづらいため、旧約聖書や新約聖書、コーランなどの聖典に書かれている、神がいかに人間に対して理不尽とも思える試練を与える存在であるか、そして人間が理由を尋ねたり反論してはいけないのかが書かれていて、しんどい宗教だと思わされる。

一神教の考え方では「他の神」という存在自体がありえないものなので異教徒とは戦うことになりがちなことの例として十字軍の話や、新約聖書に書かれているユダヤ人がキリストを告発したエピソードがユダヤ人を貶めるために書かれたという説、現代でも問題解決の道がつかない中東の紛争などが扱われている。

終盤では科学技術や文化で世界をリードし、中世では中東、北アフリカ、バルカン半島など広大な領土を支配したオスマン帝国などイスラム教国家が繁栄していたのに、資本主義のシステムを生み出せなかったためにキリスト教国家に遅れを取った話をしている。

資本主義には「(神との約束だけでなく)人間同士の約束を守ること」と、「お金を貸したら金利を取ること」の2つが欠かせないが、それぞれの聖典で前者は書かれておらず後者は禁止とされているという問題があり、それをどう対処したかで結果が異なるという。

キリスト教では真っ向から受け止めてマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で分析される「予定説」のような考え方で対応したのに対し、イスラム教ではコーランの記述に抵触しないようイスラム金融の仕組みで対応しているところで違いが出ている。

著者が多神教的な考えの人には難解な一神教の考えを何とか伝えようと気を使って書いていることが伝わってきて、漠然とこれらの宗教に持っていたイメージよりもどぎついものを感じることができた。
きちんと理解できそうな気はしないが、少なくとも考え方が大きく異なる宗教は難しいということが分かってためになった。






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