『黒田官兵衛 作られた軍師像』:雨読夜話

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黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)
黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)
渡邊 大門
講談社 2013-09-18

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黒田官兵衛(如水・孝高)には物語の主人公にしやすいこともあって多くの異説があるが、同時代に書かれた書状や日記のような第一次史料に当たることで虚像をできるだけ廃して官兵衛の実像に迫り、「軍師」というイメージが作られた背景を考察している作品。

著者が官兵衛について書いた作品としては『誰も書かなかった黒田官兵衛の謎』があるが、『誰も・・・』が入門のような感じで、本書が一歩踏み込んで書かれたものという印象がある。

例えば黒田家は貝原益軒が編纂した黒田藩の公式記録である『黒田家譜』などでは佐々木氏と同じ宇多源氏で近江から備前の福岡を経て播磨に移ってきたとしているが、確かな史料によって裏付けることができず、黒田二十四将に代表される家臣たちの出身のほとんどが播磨であることから、古くから播磨を拠点としてきた一族ではないかとしている。

他にも御着の小寺氏、信長、秀吉、家康などとの関係や、官兵衛が荒木村重に囚われた際の黒田家の対応、叔父である小寺休夢の活躍、関ヶ原の合戦前後における官兵衛・長政父子の活躍など、小説などで描かれるのと少し異なる官兵衛や長政を知ることができる。

そして後世に伝わる官兵衛の伝説が広まった背景には、長政が家臣たちへの遺言として関ヶ原の合戦で官兵衛や長政が西軍についていたら西軍が勝っていたなどと、官兵衛・長政の存在を大きく見せるための情報工作があったのではないかとしている。

第一次史料に多く当たったために少し固くなった感じもあるが、興味深く読むことができた。






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