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『光武帝(下)』:雨読夜話

ここでは、「『光武帝(下)』」 に関する記事を紹介しています。
光武帝(下) (講談社文庫)
光武帝(下) (講談社文庫)
塚本 青史
講談社 2006-06-15

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「仕官するなら執金吾(警視総監)、妻を娶らば陰麗華」という目標を持ち、後者は望み通りになったものの、前者についてはそれを大きく超えて皇帝にまで登りつめてしまった光武帝・劉秀を描いた歴史小説の下巻。

新王朝を打倒し長安を制圧した更始帝の政権、そしてそれを倒した赤眉軍では政権獲得後のビジョンがなく、混乱が増していく。
それを横目に河北では劉秀が地方勢力とある時は結び、ある時は征伐してと平定を進めていく。その中で政略結婚した郭聖通との仲がギクシャクする一方、思い人である陰麗華とはついに結ばれるという展開を見せる。

主人公の劉秀の他、元赤眉軍の力子都や曲馬団の花形の遅昭平の波乱万丈の物語もあり、大団円を迎えることになる。

全体としては、劉秀や家来たち、そして更始帝など対立者たちのキャラクターがやや個性が薄く、ストーリーのテンポを重視するあまり、功臣として比較的有名な馬援の活躍場面が少なかったり、現在での甘粛省や四川省の平定など面白そうな場面がなかったのが少々不満だった。
ただし、通常簡単に天下を取ってしまったような感じに取られ、日本ではかなりマイナーな立場にある人物を題材にしているのは評価できる。

これと正反対の人物が、成功者にはなれなかったものの物語の主人公としては絶大な人気を誇る三国志の劉備元徳や諸葛孔明とされるということを他の本で読んだが、納得できる。

本書の主人公である劉秀や、宋の太祖趙匡胤、日本で言えば鎌倉幕府の北条義時や泰時など、良識あるタイプの人物が天下を取ると物語のネタとしては弱くなるが、万民にはその方が平和に暮らせるという好例かもしれない。


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