『楽しく使える故事熟語』:雨読夜話

ここでは、「『楽しく使える故事熟語』」 に関する記事を紹介しています。
楽しく使える故事熟語 (文春文庫)楽しく使える故事熟語 (文春文庫)

謡口 明 (著), 渡辺 雅之 (著), 堀江 忠道 (著), 石川 忠久 (監修)
文藝春秋 2009-02

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主に中国の古典に書かれた故事からできた熟語を紹介している作品。
先日読んだ『エピソードでわかる「故事成語」―歴史を変えた名言名句』と似たテーマを扱っているが、重なっていない言葉も多く収録されている。

1つの言葉あたり1ページで構成されているので読みやすい。

孔子や孟子、諸葛孔明のような有名な人物だけでなく、「酒は百薬の長」が前漢を簒奪して新王朝を開いた王莽の言葉だったり、前漢の高祖劉邦が項羽によって漢中に遠ざけられたことを「左遷」と表現したのが韓王信だったりと、史書では悪役や脇役に当たる人物による有名な言葉もしばしば入っている。

中には本書で「春秋に富む」、「断じて敢行すれば鬼神も之を避く」、そして本書に入っていないが「馬鹿」のエピソードなど、秦を滅亡に追い込んだ悪役として知られる宦官の趙高が複数の言葉の語源になっているのに少々驚く。

3人で執筆されていて、名字の頭文字のアルファベットで誰が書いたのか分かるようになっている。
この中では謡口(うたぐち)氏が最後の1行でしばしば、具体的な提案などもなく現代の風潮を嘆いたり説教しているような言いっぱなしの愚痴を書いていてがっかりする。

この手の本の趣旨は故事による言葉を紹介することであり、現在の風潮を嘆くことではないと考えている。
これがあると読む気を削がれるので、哲学や思想、名言などの解説書を書く人は気をつけてほしいと思う。

渡辺氏と堀江氏の文章は読みやすく、思っていた以上に身近に使われている言葉が故事に由来することに驚いたりするなど、興味深く読むことができた。






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