『問屋無用論から半世紀 これが世界に誇る日本の流通インフラの実力だ』:雨読夜話

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問屋無用論から半世紀 これが世界に誇る日本の流通インフラの実力だ
問屋無用論から半世紀 これが世界に誇る日本の流通インフラの実力だ
玉生 弘昌
国際商業出版 2013-06-01

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メーカーや小売業に比べると脚光を浴びることが少ない、卸売業(問屋)の重要性や日本の流通インフラの優秀さなどを語っている作品。

1960年代に「問屋無用論」というのが語られたらしく、卸売業を経由することでコストが上がってしまうイメージが持たれやすいが、これに対しては数式を用いて反論している。

物流にはコストが必ずかかるわけで、それをメーカーあるいは小売業で行おうとした場合は限られた取引先だけと取り引きする場合はコストを安くできるものの、一定以上の数の取引先と取り引きしようとすれば、卸売業を経由した方がはるかに効率が良いわけで、納得しやすい。

これによって日本では多品種の商品が安く購入できているのに対し、そうなっていない国の例としてアメリカを挙げている。
アメリカではウォルマートのような小売業が寡占で強くなりすぎたことによる弊害が書かれていて、増田悦佐の作品でも読んだことがあったのを思い出した。

その卸売業を支えているインフラにはさまざまなものがあるが、その中でも著者が経営する会社による、プラネットというメーカーと卸売業の間での通信システムの話に移る。

これは従来電話回線を用いていたものをインターネット回線によるものに更新することで効率が良くなったと自賛している一方で、卸売業と小売業の間ではまだまだ古い通信システムから更新できていない実態を問題視している。

これは早い時期に通信システムを作り上げてしまったことによるもので、今後の課題としてはこの通信システムの更新と、日本では意識されることの少ない流通インフラを海外に展開することを挙げている。

海外での取り引きはリスクが高いことは当然として、少しずつ進められればということが語られていて、このあたりは町工場など下請け企業が支える製造業の話と似ているようにも感じた。

他にも小売業によるプライベートブランドについて、メーカーが儲からないので作りたがらないものを消費者の利便性のために作らせる場合、大手メーカーの陰に隠れて世に出られないメーカーに製造を依頼する場合は意味があるとの意見を紹介していて、なるほどと思わせられた。

意識されることは少ないものの社会を支える基盤のひとつについての知らなかった話が多く書かれていて、興味深く読むことができた。






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