『日本の個性―日本文明論入門』:雨読夜話

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日本の個性―日本文明論入門日本の個性―日本文明論入門

八木 秀次
育鵬社 2008-10

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日本人があまり意識しない、日本の美点を解説している作品。
発行された頃に気になっていたがその後存在を忘れ、先日ブックオフに200円で販売されているのを見つけて購入した。

日本文明と表現し、清潔さを大切にする習慣、外来の文化・文明を受け入れながらも自らに適した形に作り変える力、祖先が身近に存在するように感じて尊敬する信仰、男女での役割分担をしつつお互いを尊重する文化、神様も働くことに代表される労働観、自然を取り入れる生活習慣などを挙げている。

これらは幕末以降に日本を訪れたり日本人と付き合った外国人の記述からの引用が多く、自ら気づくことは難しいのだろう。

そして日本のインテリは外国の文化や文明を崇拝して日本をけなす風潮が強いが、これは平安時代にも公家が唐の文化をありがたがっていた話が紹介され、伝統のものなのだと分かる。

現代ではノーベル文学賞を受賞した大江健三郎が日本人であることがいやでたまらないようなコメントをしていたことが書かれていて、それなら文学賞を同時受賞して親近感を持ったイェーツの母国であるアイルランドにでも移住すればいいのにと不快な気持ちになった。

ただし、外国の文化を拒否するのでも同化されるのでもなく、「普遍のもの」として受け入れてきたことが日本的であるわけで、コインの両端のようなものかもしれない。

漢字を表音文字として受け入れた後にひらがな・カタカナに変換してしまった手法は「とんでもない」方法だと表現していて、結果として豊かな表現が生まれたのは不思議な感じもする。

興味深い記述が多く、いろいろと考えさせられる1冊となった。






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