『世界市場を動かす5の歴史的視点』:雨読夜話

ここでは、「『世界市場を動かす5の歴史的視点』」 に関する記事を紹介しています。
世界市場を動かす5の歴史的視点
世界市場を動かす5の歴史的視点
藤田 勉 倉持 靖彦
東洋経済新報社 2015-08-28

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
ギリシャ危機後のマネー経済入門
最強通貨ドル時代の投資術 (平凡社新書)
グローバル投資のための地政学入門
「マイナス金利」の真相
2020 世界のマネーは東京に向かう!
バブルは10年に一度やってくる
勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方
戦後経済史は嘘ばかり (PHP新書)
世界のニュースがわかる! 図解地政学入門
中国バブル崩壊 (日経プレミアシリーズ)


投資をする上で知っておく必要がある世界情勢について、その歴史的背景や今後についての解説、そして個人投資家へのアドバイスなどを行っている作品。
著者の2人は、証券会社の役員と管理職ということで、そうした立場の人が書いたことを念頭に入れる必要がある。

中東で宗教や石油資源が絡んで紛争が耐えない事情、シェール革命による産油国への打撃、ユーロ危機が発生する背景となる構造的問題とEUが成立した意義、経済危機への対策からバブルが発生するメカニズムなど、数百年から数千年のスパンでの話がなされていて、世界史の本に近い。

シェールオイルでは採掘技術の発達によって採算が取れるラインがどんどん下がり、採掘する場所が減っても生産高はむしろ増えるという現象が起こっていたり、アメリカが石油の輸出国に転じることで中東への関心が弱まっていく可能性が語られているのが興味深い。

ギリシャ、スペイン、イタリアのような南欧諸国では地下経済の規模が大きいことで、経済危機が伝えられる政府の財政だけで判断するのは早計だという意味のことが書かれているのに驚く。
歴史的に、現在の形での徴税システムの歴史が浅いことが原因らしい。

経済危機の後にバブルが発生するという現象が繰り返されたことを複数の例を用いて解説していて、中でもFBR議長だったアラン・グリーンスパンによる、「バブルは崩壊して初めてバブルとわかる」という名言は特に印象に残る。

表現を変えると、相場がどのくらいのポジションにあるのかなんてプロでも分からないのだから、素人の個人投資家に分かるわけがないということだろう。
投資のタイミングを図る自信がなければ、積み立て投資でタイミングを分散して高値掴みのリスクを減らすのが無難かと思う。

終盤ではポートフォリオの組み方や、インデックスファンドやETFの活用方法など、個人投資家へのグローバル投資のすすめをしていて、まとまった内容になっているように思う。

注意としては著者たちが金融商品を販売する立場の人たちなので、「この国や地域はしばらくはダメ。投資してはいけない」みたいなことは書きづらいようで、そうした傾向を考慮して読んだ方がいい。

思っていた以上に幅広い視点から投資について書かれた作品で、なかなか役立つ内容だった。





にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック