黒田官兵衛(孝高・如水)について、生涯の出来事における8つのポイント、関係した15人の人物、15回の合戦、残した8つの名言、ゆかりの地といった構成によって解説している作品。
類書と比較して本書で特徴的なのは、まず毛利輝元が初めて大坂を訪れた際に接待役を務めた官兵衛のゆきとどいた心配りに関するエピソードの話で、小早川隆景や吉川広家といった毛利家の最高幹部たちが官兵衛と良好な関係を築いていた背景が何となく感じられて興味深い。
また、初期の青山・土器山合戦や英賀合戦のように、歴史小説などではあまり大きく触れないローカルな戦いが扱われているのもマニアックさがあっていい。
他には、関が原の合戦で官兵衛は東軍・西軍どちらが優勢になってもいいように手配していたという見方で書かれているのも、著者の見解が伝わってくる。
地図、官兵衛や秀吉のイラスト、人物関係図などを多用し、ビジュアル的に分かりやすく書かれており、興味深く読んだ。
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