『春秋戦国時代 武将列伝 - 戦乱の時代を駆け抜けた42人の英雄たち』:雨読夜話

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春秋戦国時代 武将列伝
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人気漫画『キングダム』に便乗して出されたと思われる、中国の春秋戦国時代の人物を紹介したコンビニ本。
メインは戦国時代の武将だが、タイトルから「春秋」を外すと日本の戦国時代と区別がつかないためか、申し訳程度に孔子や老子、墨子といった春秋時代の諸子百家も収録している。

既に事跡を知っている人物も多いが、
  • 斉の威王と宣王は、実は「威宣王」という1人の王の事跡が分かれて伝わったという説
    (日本で斎藤道三が1人ではなく、父子の2代だったという説の逆)
  • 桓齮(かんき)という秦の将軍が燕に亡命し、荊軻(けいか)による始皇帝暗殺未遂事件に登場する樊於期(はんおき)は同一人物という説
  • 『キングダム』にも軍師タイプとして登場する昌平君という楚の王族出身で秦の宰相に出世した人物が、楚の滅亡に際して楚王に擁立されて秦と戦った話
など、本書で初めて知る話もけっこうあり、興味深い。

『キングダム』に登場するが架空の人物だと思っていた麃公(ひょうこう)や龐煖(ほうけん)が史書に残る実在の人物だったらしいことにも少々驚くとともに、『キングダム』を甘く見てはいけないとも思った。

天下統一を果たした秦には記録が多く残っているだけあって商鞅、張儀、白起、王翦(おうせん)、蒙恬(もうてん)、李斯、李信と人材豊富なのは当然として、隣国で秦との戦争が多かった趙でも藺相如(りんしょうじょ)、廉頗(れんぱ)、趙奢(ちょうしゃ)、平原君、李牧とそこそこ人材がいるように見えるが、秦による離間工作や王との反目によって失脚したり非業の死を遂げる事例が多いなど、王が人材を使いこなせなかった印象が強い。

秦と国境を接していたという条件では趙と同じはずの楚や魏、韓で扱われている人数が少ないように見えるのは、楚では王族・貴族の既得権益が強くて抜擢が少なかったため、魏では戦国時代の初期だけしか有能な君主が出なくて秦で出世した范雎(はんしょ)のように人材が流出したため、韓では単純に国が弱小すぎて活躍のしようがなかったためではないかと考えている。

そして、秦から距離があって直接の合戦が少なかったと思われる燕と斉で扱われている人物が少ないようなのは、秦の記録に残らなかっただけと考えると辻褄は合う。

秦が勝者となったのは、3人に1人くらいは有能な君主が出たこと、外交や法制などの基本方針が継続できていたこと、趙や斉のようにここぞというところで壊滅的な負け方をしていないこと、外国人の登用に寛容だったことなども大きな要因なのだろう。

誤字、誤植、雑な記述があちこちに出てくるのは読んでいて非常に引っかかるが、まずまず楽しめたと思う。






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