『ビジネスエリートの新論語』:雨読夜話

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ビジネスエリートの新論語 (文春新書)
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司馬 遼太郎
文藝春秋 2016-12-09

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司馬遼太郎が産経新聞記者を務めていた32歳の時期に、本名の福田定一名義で書いた『論語』などから名言を取ってサラリーマンの大変さや生き方について語ったエッセイ集を復刊したもの。
タイトルは初版刊行時の『名言随筆サラリーマン ユーモア新論語』の方がしっくりくるように思う。

前半の第1部では『論語』以外にも孟子やリンカーン、大江広元など、古今東西の名言を用いてサラリーマンが経験する出世、格差、嫉妬、家庭での不和などの話が出てきて、会社勤めをした事がある人にとってはリアルな話が書かれている。

60年以上経過してもあまり変わっていない部分、社会の変化などによって現在から見ると違和感がある部分に分かれていて、時代の変化を感じることができる。

前者は会社に入社してくる新人に対して頼りなさや物足りなさを感じるところ、後者では女性の会社における役割の変化などがそれに該当する。
また、サラリーマン生活への不安はこの時期から書かれていて、安心できる時代なんて滅多に来るものではないのだろう。

本書では文体がまだ司馬遼太郎のものになっておらず、現在の視点からするとカタカナの使い方や表現方法に違和感を覚えるというか、時代を感じる。

後半の第2部では著者がであった2人の老新聞記者との出会い、そして学徒動員から復員後に一緒に新聞社の就職試験を受けた仲間の話をしていて、こちらの方が面白い。

初版が出た昭和30年(1955年)は、現在で言うところのフリーライターや週刊誌の記者くらいのスタンスで仕事をしていた新聞記者が生き残っていたことが分かる。

著者が新聞記者になった頃の新聞業界は小さい会社が乱立していて比較的移籍しやすかったようたが、その後しばらくしてから新聞業界では淘汰が進んで大企業ばかりになったのか、新卒一括採用されたエリートサラリーマンというイメージの新聞記者が多くなってきたことも書かれている。

それによって「新聞などのメディアによる報道は正しい」という思い込みが広がったような気もするが、インターネットの普及などによって偏向報道がされてきたことが暴かれてきたのはいい傾向なのだろう。

「司馬遼太郎著」ということを外すと名言がらみの部分はあまり面白い作品ではないが、当時の新聞業界の雰囲気についての話がそこそこ興味深かったかと思う。






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