『ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉』:雨読夜話

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ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉 (新潮文庫)
ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉 (新潮文庫)
塩野 七生
新潮社 2006-09-28

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塩野七生の『ローマ人の物語』シリーズのうち、ローマ帝国のインフラについて語っている作品の下巻。
本作ではハードのインフラとしては水道、ソフトのインフラとしては医療と教育について語られている。

街道のところと同じように必ずしもローマ周辺で水に困っていたわけではなかったようだが、比較的早い段階からローマ帝国では水道建設がなされていて、国の規模も存続期間も長かった割に疫病に悩まされたことが少なかった要因とされているのはなるほどと感じた。

水道は蛇口をひねる形ではなく流しっ放しにする方法を選んでいて、「ローマ帝国の滅亡の要因は鉛の水道管を使用していて鉛中毒になった人が多かったから」という説は信憑性が低いとばっさり切り捨てている。
また、メンテナンスが必要なくらい石灰分が溜まる現象も、結果として鉛の水道管をコーティングしてくれたのではないか?とも書かれている。

そして漫画『テルマエ・ロマエ』にも出てくる公衆浴場も書かれている。
実写版の映画『テルマエ・ロマエ』に軍隊の駐屯地に浴場を建設するシーンがあってフィクションだろうと思い込んでいたが、どうやら史実だったとしって少し驚いた。

医療と教育については、カエサルがギリシアなど他国からの人材獲得のために医者と教師に一代限りのローマ市民権を与えたことで数を増やした一方で、診察料や授業料については市場原理に任せたことが書かれていて、このあたりも現代とはかなり様相が異なっていることが分かる。
時代や環境によって適したシステムは異なるということなのだろう。

ローマの衰退時には水道は異民族の都市への侵入を恐れて一部を閉鎖したり、キリスト教の広まりによって疑うことが重要な学問が信じることを重視する宗教に圧されてしまい「暗黒の中世」と呼ばれる一因となったりと、その後の経過についても書かれている。

ところどころでカエサルやアウグストゥス、アグリッパ、ティベリウスといった人物のエピソードも書かれていて、興味深く読むことができた。
このシリーズを読むのはしばらくお休みしていたので、少しずつ再開していきたい。






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