『「宗教」で読み解く世界史の謎』:雨読夜話

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「宗教」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
「宗教」で読み解く世界史の謎 (PHP文庫)
武光 誠
PHP研究所 2016-08-03

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宗教が世界史に及ぼした影響や、それぞれの宗教や宗派の間での争いがもたらした結果などを解説している作品。

宗教に対しては古臭くて迷信っぽいイメージを持ってしまうことがあるが、宗教が成立してから布教される間は哲学、科学思想、健康法などを含んだ体系的なものであるわけで、現代の視点からだけで考えてはいけないことを再認識させてくれる。

また、一神教と多神教の違いの背景として、以前読んだ『森林の思考・砂漠の思考』を引き合いに出して前者が砂漠の宗教、後者が森林の宗教ということで、それぞれの長所と短所を対比させているのもいい。

そして中近東で生まれた一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教がそれぞれ影響を与え合ってきたことや、教義が時代によって少しずつ変更が加えられてきたり、信仰と世俗の風習を別にすることで教義と現実のギャップを埋めようと努力が加えられてきたことも興味深い。

例えば利子はキリスト教でもイスラム教でも元々は禁止されていたわけだが、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で考察されたように真っ向から向き合ったか、イスラム金融のように金の貸し借りに事業を挟むことで解決してきたかで、社会や経済の仕組みが違ってくるのも分かるような気がする。

それぞれの宗教における概念についての理解はできたとは言えないが、歴史上の出来事と宗教の関連について分かりやすく書かれていて、思っていた以上にしっかりした内容の作品だと感じた。






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