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『徳川家康の詰め将棋 大坂城包囲網』:雨読夜話

ここでは、「『徳川家康の詰め将棋 大坂城包囲網』」 に関する記事を紹介しています。
徳川家康の詰め将棋大坂城包囲網 (集英社新書 476D)
徳川家康の詰め将棋大坂城包囲網 (集英社新書 476D)
安部 龍太郎
集英社 2009-01-16

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安部龍太郎による、家康が関ヶ原の合戦後から大阪夏の陣の間にかけて豊臣家を包囲するために諸大名に築城させたり改修させたりした西日本の城郭群を訪れて歴史を語っている紀行文。

扱われているのは当時はどれも交通の要地だった伏見城(家康)、姫路城(池田輝政)、今治城(藤堂高虎)、甘崎城(高虎)、下津井城(池田長政)、彦根城(井伊直政)、丹波篠山城(松平康重)、名古屋城(徳川義直)、伊勢亀山城(松平忠明)、伊勢安濃津城(高虎)、伊賀上野城(高虎)の11で、それぞれ著者がその場所を訪れている。

家康は関ヶ原の合戦後すぐに実権を握ったように思われがちだが、西日本における大名の配置には豊臣家(実権を持つのはおそらく淀殿)に気兼ねしながらやらなければならなかったらしく、しばらくは親藩や譜代の大名を封じることができなかったと書かれていて少し驚く。

家康はそれではと、輝政(娘婿)や高虎(腹心)といった親しい外様大名たちの領地に堅固な城を築かせている。
仮想敵となるのは毛利や島津、そして豊臣系の福島正則、加藤清正、加藤嘉明といったあたりだったと思われる。
特に清正は熊本城、嘉明は松山城と家康から見て目障りなくらい巨大な城を築いていることも念頭にあったのではないかと思っている。

その後は譜代大名の井伊直政や松平康重、松平忠明ら、そして息子の徳川義直と、自らにより近い大名を配置していっている。

それらの城の築城に当たっては藤堂高虎や小堀遠州、中井正清といった大名や建築家の話が書かれていたり、家康が豊臣家とスペインやポルトガルといったカトリックの勢力との結びつきを警戒していたらしい話など、興味深い話が多い。

ただ、本書も先日読んだ『日本「古街道」探訪 東北から九州まで、歴史ロマン23選』と同様に「材料はいいが処理の仕方が残念」という弱点がある。

紀行文にしてはエピソードが少なくてつまらないし、歴史読み物としては著者が訪れた話が余計に感じたりと、中途半端な印象が強い。
場所についても簡単なイラストだけではいまいち伝わりづらい。

後半で述べた不満点はあるものの、甘崎城とか下津井城などは本書を読むまでおそらく知ることはなかったと思われるマニアックな知識を得ることができ、興味深く読むことができた。
本文で少し書かれている、近江の膳所城とか豊後の岡城などについても読んでみたいところである。





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