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『明治維新で変わらなかった日本の核心』:雨読夜話

ここでは、「『明治維新で変わらなかった日本の核心』」 に関する記事を紹介しています。
明治維新で変わらなかった日本の核心 (PHP新書)
明治維新で変わらなかった日本の核心 (PHP新書)
猪瀬 直樹 磯田 道史
PHP研究所 2017-11-16

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元東京都知事の猪瀬直樹と、歴史学者の磯田道史による対談本。
長い歴史の中で続いてきた日本の社会システムや考え方などについて論じている。

官司請負制(国の業務を特定の氏族に委託するシステム、例えば軍事を源氏や平氏に委託するなど)や宗教卓越国家から経済卓越国家への転換、1500~1700年を「偉大なる200年」とするなど、初めて知るモデルや概念がいくつも出てきて刺激的な内容となっている。

朝廷でやっていた官(例:従三位)と職(例:三河守)のような「官職二元制原理」が現代の企業でも職位(例:課長)と資格(主事)のように続いているという話も面白い。
2人はやや批判的に見ているように思えたが、両名とも民間企業に勤めた経験がほとんどないと思われるので、どの程度的を得ている意見なのかは分からない。

「偉大な200年」の時期に中国の影響から自立したり、宗教勢力を抑えることに成功するなど、思っていた以上に着実に社会が変化していったことにも少し驚く。

江戸時代では実質的に土地を所有していて中小企業経営者に近い存在となっていた農民と、領主としての性格を失って官僚やサラリーマンに似てきた武士というコントラストで語られていて、マルクス主義史観がいかに上っ面をなぞったものだったかが分かってくる。
身分間の格差よりも身分内での格差(例えば農民では大地主と小作人)の方が大きかったという話は示唆に富む。

江戸時代は世襲による安定と抜擢による実力主義の組み合わせが絶妙だったことや、情報が意外と早く伝わっていたことなど、歴史から学べることは実に多い。

いいところも悪いところも含めた日本らしさの感じが語られていて、興味深く読むことができた。






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